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「精液検査を受ける際に、禁欲期間は長いほうが良いですか?」 男性妊活にまつわる素朴な疑問を専門家に聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:小松原 千暁

精液検査でわかることとは

 精液の状態は、睡眠不足やストレスなどの影響を受けやすく、検査結果にも日によってばらつきがあるので、1回目で異常が見つかってもすぐに判断しません。必要に応じて、2回以上検査することがあります。精液検査でわかる主な異常は、次の通りです。

○乏精子症、無精子症
 精液中の精子の数が少ない、またはまったく存在しない状態。射精の際に精子の通り道となる精管、射精管が詰まっている「精路通過障害」、元気な精子が作れない「造精機能障害」などの可能性があります。

○精子無力症
 運動する精子の割合が低い状態。動かない精子が精液中に多いと、精子が卵子まで自力でたどり着けず、受精率が低くなります。

○精子奇形症
 正常な形態をした精子の割合が低い状態。奇形の割合が多いと、受精率が低下するといわれています。

○乏精液症
 精液の量が極端に少ない状態。この場合は、精液が陰茎から放出されず膀胱に流れ込んでしまう「逆行性射精」の疑いが一因として考えられます。

異常がある場合、状態に応じた治療の選択肢がある

 精液の異常は、自覚症状がないため、検査をして初めてわかるケースがほとんどです。異常が見つかると落ち込んでしまうかもしれませんが、不妊治療の技術は進歩しており、もし自然妊娠が難しいと判断されたとしても、状態に応じた治療の選択肢が用意されています。

 また、無精子症と診断された場合も、精巣内に精子が残っていれば妊娠の可能性は十分にあり、パートナーとともに治療に向き合うことで乗り越えているケースも多くあります。まずは、自分の体の状態を知ることから始めましょう。

(Hint-Pot編集部)

小松原 千暁(こまつばら・ちあき)

不妊症看護認定看護師、生殖医療コーディネーター、妊活支援ナース育成コーチ、日本生殖看護学会理事。不妊治療の専門クリニックに約20年間勤務した経験より、日本の性教育に妊娠する力の妊孕性(にんようせい)に関する情報が少ないことを実感。現在は生殖医療の看護師を指導する一方で、不妊治療を受ける患者さんや若い世代に向けて、自ら選択できるように妊活の正しい知識を広める活動を行う。妊活についての情報サイト「妊活の歩み方」でお役立ち情報を発信中。