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エリザベス女王も認めた庭園デザイナー石原和幸氏に聞く 英王族との秘話と手軽にガーデニングを楽しむテクニック
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キャサリン妃エリザベス女王ロイヤルファミリー石原和幸ガーデニング
握手したキャサリン妃の手は硬かった…本当に庭造りに励んでいる証拠
何かと世界の注目を集める英王室だが、数々の伝統を大切に守ってきた。なかでも150年以上続く歴史ある大イベントがあることはご存じだろうか? 昨年5月、キャサリン妃が参加して話題になった英国で開催される世界最高峰のガーデニングショー「チェルシーフラワーショー」。そのショーに毎年のように出展し、これまで11個のゴールドメダルを受賞した日本人がいる。庭園デザイナーの石原和幸さん(62)だ。エリザベス女王から「あなたは緑の魔術師ね」と認められた。「チェルシーフラワーショー」でのロイヤルファミリーとのエピソードと、ガーデニング初心者も冬に楽しめるガーデニングのテクニックを聞いた。
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花の祭典「チェルシーフラワーショー」では11個のゴールドメダルを受賞
石原さんは2004年に初めて世界最高峰の「チェルシーフラワーショー」に挑戦し、シルバーギルト(銀メダル)を受賞。以来、毎年のように出展を続け、これまで11個のゴールドメダルを受賞してきた。2019年もアーティザンガーデン部門に「グリーンスイッチ」という作品を出展しゴールドメダルを受賞した。
「『チェルシーフラワーショー』は英国王立園芸協会主催ですので、エリザベス女王をはじめとする英国王室の方々が公務の一貫として訪問されます。でも、約600もの庭園作品が出品されるので、すべての庭園に時間をかけてご覧になったり、すべての出展者にお声がけくださったりするわけではありません。そんななか、2010年、全部をコケで庭を造った僕の庭を、エリザベス女王が中まで入って舐めるように観られて『あなたは緑の魔術師ね』とのお言葉をいただきました。昨年はウイリアム王子やキャサリン妃と握手を交わしました。キャサリン妃は具体的に『このコケはどこで仕入れたのですか』などと質問され、手は本当に庭造りをされる方の手らしく硬く、ウイリアム王子の手のほうがやわらかかったですね」
ガーデニング大国の英国では「チェルシーフラワーショー」は毎年メディアをにぎわせ、石原さんはテニスの錦織圭選手に次ぐ“英国で有名な日本人”だとか。そんなゴージャスな庭造りの権威である石原さんだが、実は出発点は長崎の路上の花売り。花と緑を愛し、多くの人を花束のプレゼントや演出で笑顔にしてきた。ささやかな花と緑の楽しみ方の工夫もお手のものなのだ。そこで、咲く花が限られ、枯れて葉を落とす植物も少なくない冬に楽しむガーデニングのテクニックについて聞いた。