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トイレにアクセスできる人口は約6割 日本の“当たり前”が通じない、インドのトイレ事情とは
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旅先で地味に困るのが、トイレの使い方。国によって設備が異なったり、料金がかかったりして、戸惑うこともありますよね。インド研究家で旅するライターの中谷秋絵さんは、日本と大きく違うインドのトイレ事情に、何度も驚かされたといいます。そこで、インドでのトイレの使い方や、暮らしの中で起きたトラブルなど体験談を紹介します。
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インド式は手桶の水で洗うのが主流
インドのトイレには、ほとんどの場合、トイレットペーパーがありません。高級ホテルやショッピングモールなどで見かけることはありますが、基本的には設置されていないのです。
では、インドでは用を足したあと、どのように処理するのか? ずばり「水」です。
東南アジアと同じような、水でおしりを洗うハンドシャワー(ウォーターガン)が設置されている場所もあれば、小さな手桶が置かれている場合もあります。体感的には、後者のほうが多い印象です。

では、手桶でどのように流すのか? まず、インドでは左手が「不浄」とされています。それは、左手でおしりを拭くからです。そのため、右手で手桶を持ち、左手で水をかけながら洗います。
また、日本人にトイレの話をすると「水で洗ったあとはどうするの?」とよく聞かれましたが、とくに何もしません。自然乾燥です。
日本人の感覚からすると不快に思うかもしれませんが、慣れてしまうと案外、爽快でした。さらに「紙を使うより水のほうが清潔」という意見もあり、体験者としては「確かに、そうかも」と感じます。
インドのトイレは和式? 洋式?
インドのトイレには和式、洋式どちらのタイプもあります。私は、インドでは断然、和式派でした。
私が洋式トイレを避けたい理由は、汚い場合が多いから。便座に土足で上がる人がいるのか、泥で汚れていることもあれば、ビシャビシャに濡れていることや、便座がはずれてなくなっている(!?)ことまでありました。
そもそも、インドのトイレでは水を使うため、便座が濡れるのは避けられません。他人が使った水で濡れた便座に腰を下ろすのは、さすがに抵抗がありました。
その反面、和式を選べばそのような不快な思いをする必要はなく、水で流すときも、洋式より断然やりやすい! そのため、日本では洋式派の私も、インドではいつも和式を選んでいました。
