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枝豆とチーズの食べ合わせは悪い? ポイントは「量」 飲酒時に食べるメリットを栄養士が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

お酒のおつまみとして人気の枝豆(写真はイメージ)【写真:写真AC】
お酒のおつまみとして人気の枝豆(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 お酒のおつまみとして人気の枝豆。居酒屋などでは、チーズと同様、すぐに提供されるメニューとして注文する人も多いでしょう。しかし、栄養摂取の面では、ふたつの食べ合わせが悪いといわれることが。実際のところ、どうなのでしょうか。夏の飲酒時に気をつけたい点も含めて、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

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カルシウムの吸収に影響も?

 枝豆とチーズの食べ合わせが良くないといわれる理由に、枝豆に多く含まれる「フィチン酸」が挙げられます。フィチン酸は、体内の過剰な活性酸素による酸化から体を守る、抗酸化作用の働きが期待される成分です。肌の老化防止に、化粧品などでも注目されています。

 一方で、フィチン酸はカルシウムやマグネシウム、亜鉛などのミネラル成分と結合する性質を持ちます。食べ合わせが良くないといわれるのは、チーズに含まれる豊富なカルシウムの体内吸収を、枝豆のフィチン酸が阻害すると考えられるからです。

 カルシウムは、日本人に不足しがちなミネラルのひとつ。骨や歯の原料として知られ、イライラなどの脳の興奮を抑える働きも注目されています。体内で作り出すことができないため、食事から摂取する必要がある栄養素です。

 もし、チーズに豊富に含まれるカルシウムを逃さず、効率良くとりたいのなら、枝豆との食べ合わせは避けたほうが良いといえます。しかし、阻害するのは枝豆を大量に食べた場合で、健康に悪影響を及ぼすものではありません。適量であれば、一緒に食べて問題ないでしょう。

枝豆やチーズを飲酒時に食べるメリット

 むしろ、枝豆とチーズをお酒の席のおつまみとして考えると、食べ合わせの良し悪しよりも、飲酒時に食べるメリットのほうが大きいです。

 良質たんぱく質の枝豆は、アルコールの分解を促進するアミノ酸の一種であるメチオニンや、肝機能を高める効果が期待されるオルニチンを含みます。さらに、ビタミンB1やナイアシンなどのビタミンB群が豊富なため、アルコールの代謝を助け、疲労回復にも役立つでしょう。飲酒によって肝臓にかかる負担を少なくしてくれます。

 また、チーズの脂質やたんぱく質には、胃の粘膜を保護し、アルコールが小腸へ移動する速度を遅らせる効果が。急激な酔いを防ぐことができるでしょうし、二日酔いの予防にもなります。

 とくにダイエットを意識している人は、飲み始めに枝豆やチーズを食べることで満腹感を得やすく、飲みすぎや食べすぎも防げます。

 このように、枝豆とチーズの食べ合わせは、理論上はカルシウム吸収への影響があるとされるものの、通常の食事やおつまみ程度の量であれば、気にする必要はありません。それぞれが持つ栄養メリットを生かすことで、飲酒時の体への負担を和らげられるでしょう。

飲酒時はおつまみや水分を上手にとろう

 暑い日が続くなか、飲酒時で気をつけたいのが脱水です。水分補給しながらアルコールを飲むようにしましょう。向いている飲み物は、飲みやすい軟水です。カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが溶け込んでいます。ほかには、麦茶も良いでしょう。いわゆるチェイサーとして、お酒と交互にこまめに飲むスタイルがおすすめです。

 枝豆やチーズのようにアルコールの分解を助けるおつまみや、水分を上手に取り入れながら、夏のお酒の席をより健やかに楽しみましょう。

(Hint-Pot編集部)