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おつまみの定番・枝豆は食べすぎに注意 適正量やおいしくゆでるコツを栄養士が解説
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教えてくれた人:和漢 歩実
夏においしい枝豆。お酒のおつまみとしても定番ですね。枝豆は栄養が豊富で、ダイエットにも向くうれしい食材。ただし、食べすぎには注意が必要です。どのくらいの量が適正量なのでしょうか? 栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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枝豆の栄養とは お酒に合う理由
“畑の肉”といわれる大豆と同様、高い栄養価がある枝豆。完熟する前の大豆を収穫して食用としていました。しかし、現在は枝豆専用の品種が育てられています。
――枝豆はダイエットに向くといわれます。なぜでしょうか?
和漢さん(以下、同)「枝豆は、大豆と同じように良質たんぱく質の多い野菜です。たんぱく質は、筋肉をはじめ臓器やホルモン、酵素など、あらゆる体の組織をつくるのに欠かせない栄養素のひとつ。良質たんぱく質というのは、たんぱく質の原料である約20種類のアミノ酸のうち体内で合成することができない9種類の必須アミノ酸をバランス良く含んでいるものを言います。主に肉、魚、卵、乳・乳製品の動物性食品が良質たんぱく質を含みますが、植物性食品である枝豆は動物性食品と比べると脂質が少なく、結果エネルギーも低くなります。こういった点がダイエットに向くといわれる理由でしょう」
――枝豆は高たんぱく質ながら低脂質、低カロリーの食べ物なのですね。このほかに、どのような栄養の特徴があるのでしょうか?
「枝豆は、大豆と野菜のそれぞれの代表的な栄養成分を兼ね備えているのが大きな特徴です。良質たんぱく質のほか、イソフラボンも含みます。残念ながらイソフラボンは大豆と比較すると少ないのですが、枝豆は野菜に多いβカロテンやビタミンC、葉酸を含んでいます。βカロテンは体内で必要時にビタミンAに変わり、目の健康や免疫機能を高めます。同様にビタミンCも免疫機能を高め、さらに美肌に必要なコラーゲンの生成にも関わります。葉酸は、別名“造血のビタミン”と呼ばれ、DNAの合成にも関与することで知られています。カルシウムやカリウム、鉄などのミネラルを含むのも特徴です」
――お酒の席のお通しに枝豆が出てくることがありますが、理に適っていると言えるのでしょうか?
「理に適っていると言えます。枝豆のたんぱく質の原料であるアミノ酸の一種メチオニンは、アルコールの分解を促進するといわれています。また、肝機能改善効果が期待される、シジミで有名なオルニチンは枝豆にも含まれており、肝臓にかかる負担が少なくなります。ダイエットを意識している人は、飲みすぎや食べすぎを防ぐために、飲み始めに揚げ物は避けて枝豆を食べると良いでしょう」