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幸せなはずの新婚旅行が一転…“乗り継ぎ発言”から不機嫌が続いた年下夫 「離婚」の二文字がよぎるまで

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ

飛行機の乗り継ぎで夫が不機嫌に(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
飛行機の乗り継ぎで夫が不機嫌に(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 結婚生活では、日常の小さな出来事が思わぬ亀裂を生むことがあります。新婚旅行をしたところ、夫の子どもっぽい態度に、愛想を尽かしてしまった女性。スピード離婚が頭をよぎりますが、どうすればいいのでしょうか。夫婦カウンセラーがアドバイスします。

 ◇ ◇ ◇

「直行便がないなんて聞いていない」とごねる夫

 北海道在住の川住真由さん(仮名・30代)は、昨秋に2歳年下の男性と結婚。夫とは友人主催のバーベキューで知り合いました。上下関係を大切にするタイプで、年上も多かったことから、火起こしや料理を率先して担ってくれたそう。その気遣いや手際の良さに惹かれたといいます。

 交際中もとても優しくて頼りがいがあり、3年目の記念日にプロポーズされたときは心からうれしかったといいます。夫婦で話し合って式は挙げず、親族だけの食事会を開き、新婚旅行をすることにしました。

「新婚旅行は暖かいところに行こう」ということになり、ふたりで宮古島を選んだそう。真由さんが手配を担当しましたが、新千歳空港からの直行便はなく、乗り継ぎの便を予約しました。事前に説明したつもりだったものの、夫はそこまで意識していなかったようです。

 旅行当日、早朝の移動と乗り継ぎで疲れた夫は、「直行便がないなんて聞いていない」と不満を口にしました。最初は軽い愚痴でしたが、到着後も「やっぱり直行便が良かったな」と言ったり、ホテルまでの移動手段について文句を言ったりして、少しずつ険悪な空気に。

 真由さんは「せっかくの旅行なんだから」と気を取り直そうとしましたが、夫の態度は最後まで完全には戻らなかったそうです。

「4日目の夜、私も疲れていて、つい『こんなことで不機嫌になられると、先が思いやられるよ』と言ってしまったんです。夫は何も言い返さず、そのまま寝ました」

 最終日、空港に向かう途中は会話も少なく、重たい空気のまま。新千歳に着いたとき、夫が急に立ち止まり、「今回は俺が子どもっぽかった、ごめん。せっかく計画してくれたのに台無しにした」と頭を下げました。

 真由さんはその場では「もういいよ」と答えましたが、今も気持ちは完全には戻らず、距離を置く日々が続いているといいます。

結婚前は背伸びをしていたのかも

 時間が経つにつれて、離婚したい気持ちが高まっているという由真さん。夫婦カウンセラーの原嶋さんにお話を伺いました。

「結婚前は、頼りがいがあるタイプだったということで、もしかすると、由真さんに良い印象を持ってもらおうと、甘えたい気持ちを抑えて頑張っていたのかもしれませんね」と原嶋さん。結婚を機に、少し肩の力が抜け、素の自分が出やすくなった可能性もあるといいます。

「今回の旅行での出来事は、ご主人にとっても感情のコントロールが難しい場面だったのでしょう。ただ、それが長く続いてしまったことで、由真さんの中に不信感や疲れが積み重なってしまったのだと思います。大切なのは、この経験をきっかけに、お互いが何を求めていて、どんな距離感でいたいのかを話し合うことです」

 原嶋さんによると、男女問わず、結婚前は少し背伸びをして自分をよく見せようとする人は少なくないそうです。

「結婚生活は、ありのままの自分で過ごす時間が長くなりますから、いずれ本来の姿が見えてきます。それは必ずしも悪いことではなく、本音を知ったうえで関係を深めるチャンスにもなります。離婚を考えるのもひとつの選択ですが、その前に一度、お互いの本音を落ち着いて話し合う時間を持ってみてください」

(和栗 恵)