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「怖い。警察は何もしてくれない」 不審者が住みついたアパート…24歳女性が体験した恐怖のアメリカ生活 「彼は私をじっと見つめ…」
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海外と日本の大きな違いのひとつに、治安の問題が挙げられます。日本では当たり前と感じられる安全が、海外では必ずしもそうではありません。比較的安全なエリアに住みたければ、それだけ価格も上がっていくようです。また、防犯対策が不十分な建物では、ホームレスが建物内に住み着いてしまうといった、日本では考えにくい事態に遭遇することも。6月下旬からアメリカ・ロサンゼルスに住むYoさんが、アメリカ暮らしの実情を綴るこの連載。第3回は、知人が目の当たりにしたアパートの実情を紹介します。
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アパートの階段に排泄物 見知らぬ男性が寝泊まりしていることも
「もう最悪!」
筆者が通う語学学校で同じクラスの24歳女性が、そう嘆きながら衝撃のエピソードを話してくれました。語学留学のためにブラジルからロサンゼルスにやってきた彼女はある日、友人とふたりで暮らすアパート内の共用部にある階段が、ゴミだらけになっているのを発見したそうです。
飲みかけのジュースなど食事をした形跡があり、枕もあります。しかも、鼻をつんざく悪臭が漂っているのです。原因は、誰かがそこで寝泊まりをしたときに残していったと思われる排泄物でした。
その夜、2階の部屋の窓から外に視線を移すと、体格のいい男性がうろついているのが見えたそうです。
「彼は私をじっと見つめていたので、少し怖くなりました」
部屋の中に身を潜めつつ、夕食の準備をすることに。30分後、ゴミ捨てのためドアを開けると、なんと先ほどの男がアパートの敷地内にいたそうです。恐怖を感じ、部屋に戻って警察に連絡。午後11時半、男は敷地外へ連れ出されたものの、職務質問を受けただけでした。どうやらホームレスだったようです。
このアパートには、日本でいうオートロックや、手動のカギがついた鉄格子などもありません。誰でも敷地内に入れてしまいます。最初に恐怖を味わってから数日後、彼女が2階のベランダから真下を見ると、同じ男が地べたで寝ていました。
「何度も警察を呼びましたが、何もしてくれません。ロサンゼルスではホームレスを捕まえることはできないし、彼らに何もできないらしいです。アパートの管理会社に何度もメールを送りました。でも、警察も管理会社も何もしてくれないんです」
最近は男の姿がないが…「戻ってくるのが怖い」
彼女の部屋は、もともと友人が先に暮らしていたもので、事前にその友人から部屋の動画を見せてもらったそうです。きれいで広々とした内部が気に入り、内見をせずに入居を決意しました。ただ、この地域では賃貸の場合、最初に契約した期間を満了しなければならず、簡単には引っ越せません。
「残りの契約を破るわけにはいかないし、アパートを2軒も借りるのは高すぎるので無理です。だから、1か月後に契約が切れるまでここに住みます」
最近は例の男を見ていないようですが、「戻ってくるのが怖い。もう二度と会いたくない」と頭を悩ませています。母国のブラジルでは「こんなことになる可能性はない。だって、政府はこういう状況に十分備えているし、建物の中にホームレスがいるのは犯罪だから」と明かしてくれました。
ロサンゼルスでは、「行ってはいけない」というとくに治安の悪いエリア以外でも、ホームレスはそこかしこにいます。ときにはバスや電車などの公共交通機関に乗ってきますが、運賃を払っている様子はなく、運転手も黙認しているようでした。
アパートの階段にホームレスが住みつくのは、日本では考えられないでしょう。日本がいかに恵まれているか、治安の良さを再認識させられました。
(Yo)
Yo(ヨウ)
新聞社に5年、ネットメディアに6年勤め、スポーツを中心に取材・執筆・編集活動をしたのちに退職。30代半ばでアメリカ・ロサンゼルスに拠点を移した。大学時代はバックパッカーとしてアジア、南米を放浪。仕事を含めて20か国近く訪れたものの、意思ばかり伝えてリスニングが苦手な一方通行イングリッシュに終止符を打つべく、英語習得にも励んでいるところ。