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からだ・美容

自己負担3割の保険診療でもある一般不妊治療 タイミング法と人工授精とは 専門家に聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:小松原 千暁

タイミング法は不妊治療のファーストステップ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
タイミング法は不妊治療のファーストステップ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 不妊治療は、大きく分けるとタイミング法、人工授精、体外受精などの生殖補助医療(ART)という3つがあります。なかでも、タイミング法と人工授精を「一般不妊治療」と呼び、不妊の基本検査でとくに異常がなかった人の多くは、この一般不妊治療からスタートします。それぞれ、どんな治療内容で、どんな人が向くのでしょうか。費用の目安とともに、不妊症看護認定看護師の小松原千暁さんに伺いました。

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一般不妊治療のタイミング法とは

 タイミング法は自然妊娠に近く、体への負担が少ないため、「不妊治療のファーストステップ」といわれることもあります。不妊の検査で男女ともに異常がなく、女性側に自発的な排卵があれば、タイミング法から始めるのが一般的です。

 女性側の超音波検査で卵胞を計測し、月経周期や基礎体温なども含めて、排卵の時期を予測。最も妊娠しやすい時期を医師がアドバイスし、そのタイミングに合わせて性行為をすることで、妊娠の確率を高めます。

 卵胞が育ちにくい人や排卵しにくい人には、排卵誘発剤を用いて卵胞発育を促したり、排卵を促す注射をしたりする場合があります。排卵誘発剤は内服薬と注射薬の2つがあり、注射だと自分で打つ自己注射になることもあります。

 性交が困難でシリンジ法を検討したい場合は、医師などに相談してみましょう。カップに採取した精液を器具で吸い上げて、膣内に直接注入する方法です。家庭で行うことができます。

 タイミング法の対象になる人は、女性側は投薬も含めて排卵があること、卵管や子宮に異常がないこと、男性側は精液検査に異常がないことが前提です。なんらかの医療的な不妊要因がある場合、この方法は適しません。

 また、単身赴任や出張が多く、スケジュール調整が難しい人にもタイミング法は不向きです。