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節水したい夏 残り湯で洗濯をしても衛生面は大丈夫? 使用時の基本や使用後の処置をプロが解説
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暑い夏、節水のために風呂の残り湯を洗濯に使う人も多いでしょう。しかし、残り湯の使用には、十分注意する必要があります。とくに高温多湿な夏の環境では、雑菌が繁殖しやすくなるため、適切な使い方を心がけることが大切です。そこで、残り湯で洗濯をする際の注意点を、株式会社ハッシュ代表取締役で、生活に役立つ洗濯法を発信している浅川ふみさんに伺いました。
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残り湯の雑菌に注意
株式会社衛生微生物研究センターが行った調査によると、風呂水に含まれる細菌の数は、入浴直後と比べて放置時間が長くなるほど、急激に増加することがわかっています。入浴直後の細菌数が約1000個だったのに対し、「一晩放置後は数十万個から数百万個」に増加する傾向が確認されました。また、入浴人数が増えるほど、細菌の数も大幅に増加しています。このように残り湯に雑菌が繁殖しやすくなるため、使用方法には注意が必要です。
浅川さんによると、洗濯に残り湯を使う際は洗いにのみ使い、すすぎには必ず清潔な水道水を使用することが基本だそう。これにより、洗濯物に残る雑菌のリスクを減らし、衛生面での問題を防ぐことができます。
また、残り湯は入浴後すぐに使用することが大切です。時間が経つほど細菌が増殖しやすくなるため、できるだけ早く使い切ることを心がけましょう。
入浴後すぐ残り湯を使用するのには、メリットもあります。温度が40度前後であれば、皮脂汚れを効率的に落とすことができるのです。ただし、シルクやウールなどの熱に弱いデリケートな素材を洗濯する際は、使わないようにしましょう。また、洗濯表示は事前に必ず確認してください。
残り湯を使った洗濯後は、洗濯機内部や残り湯用ホースに雑菌が溜まりやすいので、定期的に洗濯槽クリーナーを使用し、ホースの洗浄と乾燥を行うことも重要です。これによって、次回の洗濯も衛生的に行うことができます。
品川区大井町の老舗クリーニング店の3代目として家業を継ぎ、2008年に洗剤メーカー・株式会社ハッシュを設立。環境に優しい洗濯文化の普及を目指し、研究拠点「ハッシュ ラボ」を立ち上げ、生活に役立つ洗濯法を発信している。東京都大田区中小企業新製品コンクール受賞歴あり。
(Hint-Pot編集部)