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「移民が来ていて、物価が上がっているの」 セルビア人が念願の日本暮らし とくに価格の違いを感じたものとは
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閉幕に向けてますますのにぎわいを見せる、2025年大阪・関西万博。会場では多くの外国人スタッフが活躍しています。そのひとつが、「海、青の対話」をテーマに持続可能な未来における海の役割を強調する没入型の体験を提供しているポルトガルパビリオンです。そのスーパーバイザーとして働くマーシャさんは、日本と母国の物価の違いを日々実感しているといいます。いったい、どのような発見があったのでしょうか。
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15歳から日本語を学び続け、万博スタッフに
セルビア出身のマーシャさんは、ポルトガルパビリオンでスーパーバイザーを務めています。15歳のときに日本語の魅力に惹かれ、独学で学び始めました。大学時代もその熱意が冷めることはなく、日本語の勉強を続けてきました。
初めて日本を訪れたのは2019年、観光が目的でした。2度目となる2024年の訪日では、日本での就職を目指していたというマーシャさん。ところが、ビザ取得の壁に直面し、内定目前だった就職は叶いませんでした。
落胆していたマーシャさんに転機をもたらしたのは、友人からの一言でした。万博での求人募集を教えてもらい、応募したところ採用され、念願の日本で働くことが実現したのです。
「1.5倍」違う日本とセルビアの物価

日本での暮らしを経験したマーシャさんがとくに違いを感じているのが、セルビアと日本の物価差だといいます。
「セルビアと比べると日本は物価が安い。今、セルビアはロシアやウクライナから移民が来ていて、物価が上がっているの。たとえば牛乳や卵は、日本の1.5倍ほど。定食も日本では1000円くらいで食べられるけど、セルビアで同じようなものを頼むと1500円はする」
日本国内でも物価の上昇が注目されていますが、セルビアでは社会的な影響も重なり、より急速な値上がりが進んでいるといいます。相対的に手頃な価格で外食を楽しめる日本は、海外から訪れる人々にとって一層魅力的に映るかもしれませんね。
10代から日本語学習に情熱を注ぎ、万博スタッフという形で日本での就労を実現させたマーシャさん。国際交流の最前線で、日本と母国の違いを体感しながら、貴重な経験を積んでいます。万博閉幕後も、培った経験と日本語力を活かして、日本との架け橋として活躍してくれることを期待したいですね。
(Hint-Pot編集部)
