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ホテルの使い捨てのスリッパは持ち帰ってもいい? “マナー違反”で起こる可能性があるトラブルとは
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日本の宿泊施設は、訪日外国人から高い評価を受けています。その理由のひとつが、細部まで行き届いた配慮とサービスの質の高さです。とくに、客室に用意されたスリッパは、靴を脱いで過ごす日本の文化を知らない観光客にとって、新鮮な驚きや感動を与えるアイテムといえるでしょう。ただし、このスリッパには適切な使い方やマナーが存在します。ホテルのエキスパートとして活躍する小林千花さんに、そのルールについて教えていただきました。
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スリッパは「客室用の履き物」が大原則
日本のホテルで用意されているスリッパは、単なる履き物ではなく、客室でくつろぐ時間を快適にするためのアイテムです。自宅のようにリラックスできる環境を演出する役割を持っています。
しかし、どんなに快適なスリッパでも、ホテル内のすべての場所で使用できるわけではありません。スリッパはあくまで「客室用の履き物」です。ホテルによってルールはことなりますが、多くのホテルでは、ロビーやレストランなど共用スペースでのスリッパ使用は控えるよう案内されています。
それは、衛生面の配慮に加え、安全面も理由のひとつです。ホテルのロビーやレストランの床材は、客室とは異なる材質が使われていることが多く、スリッパでは滑りやすい場合があります。とくに階段の昇降や、なめらかな床面では、転倒のリスクが高まるため、部屋を出るときは靴に履き替えたほうが安全でしょう。
部屋を出るときはそろえておくと良い印象に
薄い布製などの簡易的な使い捨てタイプのスリッパの場合、持ち帰って別の機会に再利用したいと考える人もいるかもしれません。基本的に、使い捨てスリッパは多くのホテルでは持ち帰りが認められています。ただし、備えつけのスリッパの場合は、持ち帰りは厳禁です。
スリッパはチェックアウト時、ドア付近にきれいにそろえておくとスマートです。また、使い捨てスリッパはゴミ箱に捨てても問題ありません。
ホテルによってスリッパの使用ルールは異なります。初めて宿泊するホテルでは、フロントで確認しておくと安心です。適切なマナーを守って利用することで、より充実したホテルステイを楽しむことができるでしょう。
(小林 千花)

小林 千花(こばやし・ちか)
1995年10月3日、東京都港区生まれ。2018年から生島企画室に所属し、舞台を中心に俳優として活動。曽祖父が都内でホテルを創業し、“ホテル一家”に生まれ育ったホテルのエキスパート。特技は「一度お会いした人の顔と名前を覚えられる」。趣味はホテルめぐり、宝塚観劇。「利き酒師」の資格も持っている。身長155センチ、血液型O。