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「夫や友人に渡されたメニューの値段が違っていた」 外国人夫と行った日本の飲食店での気まずい体験 ハワイに学ぶ「二重価格」のあり方

公開日:  /  更新日:

著者:i-know

アメリカでの割引制度の仕組み

ダイヤモンド・ヘッドに設置された電光掲示板で「登山料5ドル・駐車料金10ドル。地元民は無料」とアナウンスが【写真:i-know】
ダイヤモンド・ヘッドに設置された電光掲示板で「登山料5ドル・駐車料金10ドル。地元民は無料」とアナウンスが【写真:i-know】

 こういった“地元民割引”はアメリカの各州で導入されていますが、日本でイメージされている二重価格と大きく違う点は、アメリカ人と外国人の価格を分けるものではないということです。

 つまり、ハワイ在住のアメリカ人が、カリフォルニアやニューヨークを観光客として訪れたとしても、“地元民割引”は受けられません。

“地元民割引”を受ける際は、基本的に運転免許証を提示する必要があり、居住地の確認をされます。アメリカは運転免許証のデザインが州ごとにまったく違うので、ほかの州の人間であることは一目瞭然。その州に税金を納めていることが、割引を受けられる条件なのです。

日本で導入される二重価格の動き

 日本では姫路市が、2026年3月より、姫路城の入場料金を市民と市民以外の二重価格にすると発表しました。一方、今年7月にオープンした沖縄のジャングリアは、日本人価格と訪日外国人価格を設置し、一部の外国人観光客からSNS上で批判の声が上がったといいます。

 また、外国人向けの特別料金を導入している飲食店も見られます。思い返せば約12年前、まだオーバーツーリズムが問題視される前のこと。ハワイ出身の夫と、その友人のアメリカ人を連れて入った日本のお好み焼き店で、とても苦い思いをした経験がよみがえりました。

 というのも、夫やその友人に渡された英語メニューに明記された価格と、その裏に書かれた日本語メニューの値段が違っていたのです。その後、目の前の鉄板でお好み焼きを焼く店主と、私たちとの間に気まずい空気が流れたことは、今でも忘れられません……。

 私たちが外国、そして日本の観光地を訪れた際、どのような料金設定なら気持ち良く観光できるか、いろいろと考えてみる余地はありそうです。

※1ドル=146円で換算(2025年10月2日時点)。

(i-know)

i-know(いのう)

大学卒業後、フリーランスライターに。お笑い雑誌やファッション誌で、著名人のインタビューを中心に活躍。34歳のとき日本のキャリアに一区切りをつけ、単身ニューヨークへ。その後、ハワイのロコ(地元民)と結婚し、現在は2人の子ども(8歳、6歳)をバイリンガルに育てるべく奮闘している。