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オランダ人「見えないものは無視することに」 伝統的な日本の味で試行錯誤 万博スタッフが苦労したこととは
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閉幕まで残り1週間となった、2025年大阪・関西万博。会場では多くの外国人スタッフが活躍してきました。持続可能な未来への取り組みを展示するオランダパビリオンで、スタッフとして働くナンドさんもそのひとりです。そんな彼は、日本での食生活で苦労したことがあるのだとか。いったい、どんなことなのでしょうか。
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オランダから3度目の来日 長崎大学への留学経験も
オランダ出身のナンドさんは、大学で4年にわたって日本語を学び、そのうちの1年間は長崎大学に留学した経験があります。今回で日本へ来るのは3度目の日本通です。
日本語の習得に熱心に取り組み、留学を通じて日本文化への理解も深めてきたナンドさん。今では日本語を流暢に操り、オランダパビリオンのスタッフとして各種メディアにも出演しています。
「見えないものは無視することに」 ナンドさんなりのルール
そんなナンドさんが、日本での生活でとくに苦労しているのは、食事です。
「僕はベジタリアンだから、日本の食生活は大変なことも少しあるよ。日本では、だしなどの見えない(動物性の)ものは無視することにしている(苦笑)」
日本料理の味の決め手となるだし。多くは魚介類から取られるため、ベジタリアンにとっては避けたい食材のひとつです。しかし、料理に使われているだしをいちいち確認することは、容易ではありません。そのため、ナンドさんは自分なりのルールを作って対応している様子です。
「日本のチェーン店、たとえばサイゼリヤみたいなところに行くとメニューの選択肢が多いから、けっこうなんとかなるかな。それに、小さな個人店でも、お店によっては工夫してくれたり、事前に教えてくれたりするので助かるよ」
日本での食生活には徐々に慣れていったというナンドさんですが、同時に、日本とヨーロッパの食文化の違いも感じているそうです。
「日本にもヴィーガンのレストランは増えたけど、まだ高いんだ。オランダなどヨーロッパのレストランだと、たとえハンバーガー店だとしても、ベジタリアンやヴィーガン向けのメニューが1つは必ずあるんだよ」
ナンドさんはこうした経験を通して、日本の食文化の豊かさを感じる一方で、食の多様性がさらに広がることを願っています。おいしい料理が多い日本だからこそ、さまざまな食のスタイルを持つ人が同じテーブルで楽しめるようになり、すべての人が快適に過ごせると良いですね。
(Hint-Pot編集部)
