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「我慢」が当たり前? 小中学生女子の生理の悩み たった10分の休み時間では間に合わない…学校生活の深刻な実態
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「次の授業まであと5分しかない」「トイレが混んでいて間に合わない」──。学校生活のなかで、生理中の女子生徒が直面している切実な悩みが明らかになりました。ニフティ株式会社が実施した大規模調査により、学校環境における生理への配慮不足が浮き彫りになっています。
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8割が生理中に学校で困った経験がある
ニフティ株式会社は2025年7月23日~8月27日、同社が運営する子ども向けサイト「ニフティキッズ」にて、女子限定の「生理」に関するアンケート調査を実施。小中学生を中心に3341人から回答を得ました。花王株式会社の協力のもと設問が設計されたこの調査では、驚くべき実態が明らかになりました。
まず、「生理がきている」と回答した割合は、小学生で61.5%、中学生で92.1%。そのうち生理中に学校で困った経験があると答えた生徒は、約8割にものぼりました。
困った理由として最も多かったのは「ナプキンをかえる時間が取れなかった」(61.8%)。次いで「予定していない日に生理がきてしまった」(45.2%)、「生理用品を忘れた」(41.4%)という結果でした。
ナプキンを交換するためには、移動や手洗いなども含めると最低でも5~10分は必要とされます。10分程度の短い休み時間では、トイレの混雑や次の授業への移動時間を考えると、交換を諦めざるを得ない状況も少なくありません。
51.5%が「我慢した」と回答 一人で抱え込む現実

さらに深刻なのが、困ったときの対処法です。この設問に回答したのは「ナプキンをかえる時間が取れなかった」と回答した人に限りませんが、「我慢した」と回答した生徒が51.5%と半数を超え、「友だちに相談した」(36.2%)、「保健室に行った」(27.9%)と続きました。
休み時間にナプキンを交換できなかった場合、次の休み時間まで最長50分以上も我慢を強いられることになります。これは衛生面での問題だけでなく、「モレていないか不安」という精神的なストレスにもつながります。
「我慢が当たり前」からの脱却を
生理という自然な身体の変化に対して、「我慢する」ことが当たり前になっている現状は、決して健全とは言えません。
授業中でもトイレに行きやすい雰囲気づくりや、保健室・トイレでの生理用品の常備など、すべての生徒が安心して学校生活を送れる環境づくりが求められています。
子どもたちが「我慢」ではなく、適切なタイミングで自分の身体をケアできる。そんな当たり前の環境が、早く整うことが期待されます。
(Hint-Pot編集部)
