フォロワーから募集したエピソードを漫画化　多くの人が共感

　子どもは夫婦の宝物。だからこそふたりで責任を分かち合い、男性が育児に参加するのは“当たり前”という考えがよく聞かれるようになりました。最近では、一世風靡した「イクメン」という言葉も、父親の育児をかえって強調していると、問題提起されることもあります。ところが、性別による仕事と家事育児の分担に対する意識は根強く、ふとした瞬間に口に出してパートナーを傷つけてしまうことも。子どもの予防接種の際に、夫から言われた一言にモヤモヤしてしまったという女性の実体験漫画が話題を呼んでいます。作者に話を聞きました。

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「育休夫にモヤッとしたはなし」など、育児にまつわるエッセイ漫画をSNSで発信し、人気のツムママ(tumutumuo)さん。小さな子どもがいるため、家でできる趣味を探していたところ、ご主人に勧められ夫婦で相談して、インスタグラムで漫画を投稿することに決めたそうです。

　ツムさんの描くリアルな子育てや夫婦関係に関する漫画は共感を呼び、順調にファンが増えていきました。そこでフォロワーにモヤッとしたエピソードを募集するイベントを企画。くじ引きをして当せんした人の話を漫画化したそうです。

　子どもの予防接種にご主人と行ったという投稿者さん。予防接種は予診票や母子手帳、健康保険証など持参必須のものから、子どものおむつや着替え、おもちゃ……用意しておくと安心なものなど、荷物が多くなってしまいがち。ママひとりで行くには何かと大変なことが多いものです。すると、ご主人が予防接種の日に休みを合わせて、車を出すことを提案してくれたそう。

　ありがたくその提案にのった投稿者さんでしたが、接種後の帰り道、とてもモヤモヤする出来事が起きてしまうのでした。なんと投稿者さんが車を運転するご主人にお礼を言うと、「ママにこれで貸し１ね」と楽しそうに言ってきたそうです。

　投稿者さんは、自分から頼んだわけでもないし、「ふたりの子どもなのに貸し借りが発生するなんて……」と、ショックを受けた様子。その場で咄嗟に反論することができず、釈然としない気持ちを抱えてしまいました。

　この状況が腑に落ちないと思った人は多く、「冗談でも言ったらダメだし神経を疑うなぁ」「ママからパパへの貸しは1000万回くらいありそうですね」「まだまだパパとしての自覚がないですね」「え？　何で母親がやるの前提なの？」など、たくさんのコメントが寄せられました。そして、多くの人が夫婦で「貸し借り」があることに納得がいかなかったようです。

「今は共働きが多いですし、特に子育ては仕事と違って終わりがありません……。夫婦ふたりの子どもに対して、仕事と同等と考えるのも違う気がします」と、一児の母であり作者のツムママさんは言います。例え冗談だったとしても、やはり一生懸命子どもに向き合っている人からしたら、パートナーのこうした発言は、どこか無責任に感じてしまうもの。ツムママさんも「この漫画を通して、こういった発言は相手がどう感じるのか、気持ちを分かってくれたら嬉しいです」と語りました。

（Hint-Pot編集部）