海外ニュース
「トイレに行かなくても見に行くべき」「自分の家にも欲しい」 ロンドンの文化拠点でひそかな注目を浴びる日本のトイレ いったいなぜ?
公開日: / 更新日:
「本物の日本」を感じさせるこだわりの空間

館内のトイレ個室に入ると、便器のフタが自動で開いて迎えてくれます。温水洗浄機能付きの暖房便座が備わった姿は、日本でいつも見慣れたトイレそのもの。違いがあるとすれば、体格差に配慮したやや大きめのサイズ感でしょうか。ロンドンの地で、日本と同じトイレ体験ができることに、多くの人が驚き、感動するようです。
「ジャパン・ハウス・ロンドンでは、日本の芸術、デザイン、そしてテクノロジーを発信するという目的のもと、館内のすべてのものを非常に慎重に選んでいます」
床のタイルは淡路島で作られ、館内中央のエレベーターは三菱が設計・製造しました。そしてトイレにはTOTOが採用されています。
「トイレを含めて、すべての要素は訪れる方々に本物の日本を体験していただくとともに、おもてなしの心を感じていただけるように選ばれています」
2019年にはTOTOとともに「トイレとおもてなし」をテーマにしたイベントも開催されており、トイレそのものが文化発信のツールとなっているのです。
トイレに行かなくても一見の価値あり

では、実際にロンドンの人々は、この日本式トイレをどう受け止めているのでしょうか?
「来館された方々はいつもトイレにとても感銘を受けており、スタッフに感想を伝えてくださることが多いです」
なかにはトイレに行かなくても見に行くべきと友人に勧める声も聞かれるそうで、まさにトイレが観光スポットのひとつになっているような状況。SNSでも取り上げられることが多く、注目を集めています。
伊佐さんによると、利用者がとくに気に入るのが暖房便座で、「自分の家にも欲しい」と話す人が多いそう。冷たい便座に慣れている人々にとって、暖かい便座は驚きと感動の体験なのかもしれません。ほかの機能についても、使い方の説明がトイレにしっかり表示されているため、利用者が戸惑うことはあまりないそうです。
「このように高品質なトイレ体験を提供することで、ロンドンにあるほかのトイレの基準を引き上げていると感じます。また、人々に良いトイレとはどういうものかを示し、利用者の期待値を高めているのかもしれません」
一度快適なトイレを体験してしまえば、従来の不便なトイレには戻りたくなくなるもの。日本式トイレは、ロンドンの人々のトイレに対する意識を少しずつ変える存在となりえるかもしれません。
(Hint-Pot編集部)