栄えある日本ダービー馬として名を馳せた、タニノギムレット。最近では、“第二の馬生”を過ごす牧場の柵を破壊する“破壊神”として知られています。「Yogiboヴェルサイユリゾートファーム」（北海道日高町）で穏やかな余生を過ごす26歳の名馬が、“後輩”の“破壊神デビュー”に反応したかのような姿が話題になっています。同ファームの公式X（ツイッター）アカウント（@Versailles_Farm）に投稿された、鋭い眼光をとらえた写真には、8000件に迫る“いいね”が。ファンからは歓喜の声が上がっています。

　◇　◇　◇

今年で26歳になったタニノギムレット

　10月に入り、同ファームの公式Xアカウントで注目を集めたのは、9月末に新加入した芦毛のラニによる“事件”でした。入厩早々に牧柵を破壊し、「ゴジラニ第一号ホームラン」とのコメント付きで、真っ二つになった柵の写真が投稿されたのです。

　これを受けて公開されたのが、タニノギムレットの雄姿をとらえた写真。「元祖破壊神『新人がさっそく仕事してるじゃねぇか。気に入ったぜ、ラニ』」というコメントとともに投稿され、青空の下で草を食むタニノギムレットの姿が反響を呼びました。

　額から鼻筋にかけての鮮やかな流星と、血管が浮かぶようなハリのある首差し。そして、何より印象的なのは、鋭い眼光を放つ目です。迫力満点ですが、まるで“後輩”の“仕事ぶり”を認めているかのような雰囲気を漂わせます。

　投稿のリプライ（返信）には「負けてられない……ってなってそう」「ギムじいめっちゃ目がきれい。こんな透き通った目をしてるのに破壊神なんて……」「空手道場の師匠のようだ」など、その健在ぶりと美しさを称える声が多数寄せられました。

“新・破壊神”の登場に反応？

　2002年の日本ダービーを勝ったタニノギムレットは、現在26歳。左目が緑内障で見えにくい状態とのことですが、同ファームの岩崎崇文さんによると「今でもまだまだ元気」だそうです。

　種牡馬からも引退後、同ファームにやってきたタニノギムレットは、牧場の柵を破壊する“破壊神”としてもたびたび話題に。健在ぶりをアピールしています。

　一方、9月末に同ファームに仲間入りしたばかりのラニは、2016年に日本調教馬として初めてUAEダービー優勝を果たし、世界最高峰のレースのひとつとされるケンタッキーダービーにも出走。現役引退後は、2018年から種牡馬入りし、今年2025年に種牡馬からも引退しました。そして、同ファームで“第三の馬生”をスタートさせたのです。

　気性が激しく、現役時代はアメリカで「ゴジラ」の愛称でも知られていたラニ。同ファームでも、驚異的なパワーを発揮しています。

　北の大地で暮らす“元祖破壊神”と“新・破壊神”。2頭の静かな共演は、これからも多くのファンを楽しませてくれそうです。

（Hint-Pot編集部）