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「2か月で30回以上は行ったかな(笑)」 外国人が「日本で一番、衝撃的だった」社会人ならではの文化とは
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職場の人と親睦を深めるために、一緒にお酒を飲むのもひとつの手段です。ただ、海外では、仕事終わりに飲みに行くのがあまり一般的ではなく、日本の飲み会文化が珍しく映ることも。6月下旬からアメリカ・ロサンゼルスに住むYoさんが、アメリカ暮らしの実情や、外国人から見た日本の印象などを綴るこの連載。第12回は、台湾人が日本で経験した“飲みニケーション”の苦労についてです。
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台湾人男性が経験した飲み会文化
日本で“飲みニケーション”を経験したのは、アメリカで出会った22歳の台湾人男性。2年前の夏、2か月間のインターンで来日したそうです。「日本で一番、衝撃的だった」と教えてくれました。
「平日も毎日、上司に“イザカヤ”に連れて行かれたんだ。『行こうよ! 行こうよ!』って。平日の仕事終わりだよ!? しかも、その会社はスーツを着るのが決まりだったから苦しくて(笑)。スーツで飲みに行くなんて考えられない。台湾では、飲むのは週末が多いから」
誘ってくれたのは、上司だったそうです。彼はアルコールがあまり得意ではないけれど、「先輩だから断れなかった。なんだか飲まないといけない感じだったし」と振り返ります。
日本の習慣をリスペクト「とても楽しかった」
近年、日本では「アルコールハラスメント」という言葉が広まるなど、敬遠されがちな“飲みニケーション”。ひと昔前に比べれば、無理に誘う人が減り、部下が気兼ねなく断れるケースが増えています。台湾人の彼は「“飲みニケーション”という言葉も知っている」と、ある程度の必要性を受け止めていました。
是非が問われますが、相手をより深く知り、普段は言えない相談などもできる機会になります。彼も、「飲む時間自体はとても楽しかった」と感謝し、日本文化をリスペクトしていました。
「ほかの社員もたくさん誘ってくれたんだけど、海外から来た僕に気を遣ってくれたんだと思う。2か月で30回以上は行ったかな(笑)。おかげで上司と仲良くなることができたし、ありがたいよね。台湾でも交流目的で上司と飲むけど、数週間に1回くらいだよ」
選択の自由を持ちながら、無理をせず、適量のお酒を楽しんだという彼。笑みを浮かべ、懐かしそうに振り返る姿から、日本の“飲みニケーション”を満喫していたことがうかがえました。
(Yo)
Yo(ヨウ)
新聞社に5年、ネットメディアに6年勤め、スポーツを中心に取材・執筆・編集活動をしたのちに退職。30代半ばでアメリカ・ロサンゼルスに拠点を移した。大学時代はバックパッカーとしてアジア、南米を放浪。仕事を含めて20か国近く訪れたものの、意思ばかり伝えてリスニングが苦手な一方通行イングリッシュに終止符を打つべく、英語習得にも励んでいるところ。
