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重婚日記~笑撃の結婚生活~ 第2話「衝撃的な新婚生活の幕開け」
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:坂本 尚志

戸籍のある日本で「国内で重婚」が起こり得るとは――。役所に提出した婚姻届は正式に受理済みでしたが、本人も気づかないまま制度の盲点にはまっていたようです。普通の結婚生活のはずが、想定外の出来事が続き、日常は一変しました。何が本当で、何が嘘だったのか。これは、波乱と笑い、そしてレジリエンスに満ちた、ひとりの女性の実話です。
◇ ◇ ◇
新婚早々、暗闇のろうそく生活
役所に提出した婚姻届は難なく受理され、ほどなく一緒に住むことになった。私の部屋を引き払い、夫の2DKの家へ引っ越したら、物があふれて物置化してしまった。
そこで、もっと広い家を探し始めていた結婚3か月目、夫がヘルニアで動けなくなり、急遽入院することになった。さらに驚いたことに、その翌日、夫が突然タクシーで帰ってきたのだ。理由を聞いたら、なんと……。
「院内禁煙に耐えられなかった」
そもそも病床に空きがないなかで、無理を言って入れてもらったのに脱走とは、大人のすることか!? 情けなくて、怒る気もない。夫を優しく説得し、病院に平謝りの電話をして、夕方、タクシーに乗せて病院に戻した。
ほっとしたのもつかの間、さらに翌日、仕事から帰宅したら玄関の電気がつかない。ブレーカーを確認しても、問題ない……。スマートフォンのライトなんてない時代、懐中電灯も見当たらず、ライター片手に仏壇からろうそくを調達。エアコンもつかないので、お湯で温まろうかと思ったら、お湯も出ない……! なんと、電気もガスも止まっていたのだ。
季節は冬。仕方なく私は毛布にくるまり、ろうそくの火で一夜を過ごした。翌日、電力会社とガス会社に問い合わせをしたら、停止の理由はまさかの料金滞納だった。即支払いをしたら、ほどなく復旧した。
夫はそのまま2週間入院することになった。
趣味を楽しみまくっていた結婚生活
こうして、女の子が夢を抱くようなプロポーズもなく、新婚早々の病院脱走、暗闇生活と、波乱のスタートを切った私の結婚生活。それでも、その後ほどなく戸建てに引っ越し、広々とした家で快適に暮らし始めた。
私たちはもともと友達だったこともあり、趣味が合う点が多く、平日は毎晩のように近所のバーで飲み食いし、休日は音楽を聴きに行ったり、映画を観に行ったりした。あちこち旅行にも行った。
大勢でのパーティーが好きで、自宅に50人以上を呼んでバーベキューパーティーをしたときは、近所の人に地域のイベントかと勘違いされたくらいだった。参加者の半分くらいは外国人なので、知らない人がジョインしてもウェルカムな、ゆるい感じが楽しかった。こうして毎日、にぎやかに暮らしていた。