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重婚日記~笑撃の結婚生活~ 第2話「衝撃的な新婚生活の幕開け」

公開日:  /  更新日:

著者:Rocco

教えてくれた人:坂本 尚志

高収入サラリーマンなのに「お金がない」?

 夫は外資系企業のサラリーマン。私も同業界だったから、お給料事情はだいたい想像がつく。だから年収を聞いたこともなかったし、私も稼いでいたから、結婚後もお財布は別。家賃や光熱費は夫、食費や生活用品は私。飲み代はほぼ折半。ダブルインカムだし、なんの不安もない――はずだった。

 ところが、徐々に「お金がない」発言が増えてきた。

「多額の収入があるはずなのに、なんでお金がないんだろう?」

 結婚2年目のある日、ポストに昔の家の役所からの「催告書」が届いた。差し押さえ勧告だ。普段、夫宛の郵便物を勝手に開けることはなかったが、さすがにこれは気になる。夫の目の前で開封したら――だいぶ前に住んでいた市での税金を、長らく滞納していたことが判明。

 差し押さえの前には、督促状も届いていたはずなのに……。引っ越しを繰り返したので、宛先不明で届かなかったのか? 夫は「払おうと思って忘れていた」と言っていたが、私は結婚当初も電気ガスが止まったことを思い出していた。

 もしかして、ほかにも滞納がある? 私の不安はその後、現実のものになっていく……。

【重婚について】
刑法第184条では、すでに配偶者がいる者が別の相手と婚姻した場合を「重婚罪」と定めています。ただし、実際の現場では、意図的なものばかりでなく、外国との戸籍や手続き上の制度の違いや、ミス・誤認などによって、意図せず結果的に重婚状態になってしまうケースもあり得ます(清陵法律事務所・坂本尚志)。

(Rocco)

Rocco(ロッコ)

20年近い結婚生活で、次々に起こる波乱を、泣きながらも笑いに変えて乗り越えてきた。とくに、戸籍制度の落とし穴から生じた「国内重婚」という、聞いたこともない状況に直面し、検索しても事例が見つからず、孤立無援の中で悩んだ経験は大きい。実際の体験をもとに、戸籍制度とレジリエンスをテーマに綴っています。

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坂本 尚志(さかもと・たかし)

弁護士。清陵法律事務所所長。プロボクサー。東京大学法学部卒業。詐欺・消費者問題に注力。https://seiryo-law.com/