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重婚日記~笑撃の結婚生活~ 第3話「高収入サラリーマンの夫は、多重債務者だった」

公開日:  /  更新日:

著者:Rocco

教えてくれた人:坂本 尚志

債務整理とすべての返済

結婚2年目に突然届いた催告書がきっかけで、次々と驚きの事実が発覚【写真:Rooco】
結婚2年目に突然届いた催告書がきっかけで、次々と驚きの事実が発覚【写真:Rooco】

 そんなこんなで、私が夫のお財布を管理することになった。このときに初めて年収を知ったし、養育費としていくら振り込んでいるかも知った。

 ともあれ、返済額が異常に多いので、司法書士事務所にお願いして債務整理を行ったところ、かなりの過払いをしていたことが判明。借入先がトータルで6社くらいあったので、それぞれに手続きを進めてもらい、最終的な残高を確定させると、最短の返済計画を立てた。

 もちろん、滞納していた税金関係もすべて支払った。前妻への養育費は適正額まで減額してもらった。加入していた生命保険の受取人は私へと変更した。

 その間の支払い管理や金銭管理は大変だった。ダブルインカムでの高額な収入があったからこそ、たった1年の返済計画で借金から解放されたものの、もしもっと収入が低ければ、何年にもわたっての返済計画となっていただろう。もしそうだったら、返済に追われる感覚に耐えられなかったと思う。

 当時は常に家計のことばかり考えていた。おかげで倹約家にもなった。つらかったけれど、今となっては貴重な経験をさせてもらったと思う。正直、二度と味わいたくないけれど。

【重婚について】
刑法第184条では、すでに配偶者がいる者が別の相手と婚姻した場合を「重婚罪」と定めています。ただし、実際の現場では、意図的なものばかりでなく、外国との戸籍や手続き上の制度の違いや、ミス・誤認などによって、意図せず結果的に重婚状態になってしまうケースもあり得ます(清陵法律事務所・坂本尚志)。

(Rocco)

Rocco(ロッコ)

20年近い結婚生活で、次々に起こる波乱を、泣きながらも笑いに変えて乗り越えてきた。とくに、戸籍制度の落とし穴から生じた「国内重婚」という、聞いたこともない状況に直面し、検索しても事例が見つからず、孤立無援の中で悩んだ経験は大きい。実際の体験をもとに、戸籍制度とレジリエンスをテーマに綴っています。

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坂本 尚志(さかもと・たかし)

弁護士。清陵法律事務所所長。プロボクサー。東京大学法学部卒業。詐欺・消費者問題に注力。https://seiryo-law.com/