のどかな田畑と山々には、人間の営みと自然の共存する姿があります。そこではときに、驚くような光景に出合うことも。X（ツイッター）では、農耕地に広がるまさかの光景をとらえた写真が、話題を呼んでいます。圧倒的なスケールに、1.6万件もの“いいね”が。投稿者のもみじ卍ゅう（@momiji_man_10）さんに、詳しいお話を伺いました。

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トラクターを追いかける数百羽の鳥たち

「トビトビトビトビトビトビトビ……」

　そんなコメントとともに投稿された写真には、トラクターの周囲に無数のトビが群がる様子が写っています。トビたちは地面を覆い尽くし、土が掘り起こされるのを、今か今かと待ちかまえているかのようです。

　もみじ卍ゅうさんは次の投稿で、「耕したあとの土から出てくる虫を狙って、トビとかカラスとか、よく見えないけどハクセキレイが大量に集まってきます。ちなみに上空にもたくさん飛んでいます」と説明し、別の写真を公開しました。引きの構図で撮られた写真には多くの鳥が舞い、まるでトラクターを中心に渦を描いているようです。

　投稿には、合わせて1.8万件の“いいね”が集まっています。リプライ（返信）には「すごい数　なんでこんなことになっているのですか??」「ここまで多いと恐怖です」「海岸沿いで見るトビもこんなにはいないですよ（笑）」などの声が寄せられています。

　トビは雑食性で、とくに海岸や河川付近でよく見られますが、実は農耕地も生息場所のひとつです。上空から獲物を探し、急降下して捕らえる狩りの技術に優れており、視力は人間の数倍ともいわれています。

冬鳥撮影の帰りに出合った光景

　2021年からカメラを始めたというもみじ卍ゅうさん。人がいる場所を避けて撮影するうち、自然と野生動物を撮るようになったといいます。

　話題の写真を撮影したのは、冬鳥を撮りに出かけた帰りのことでした。ただ、この日はあまり成果がなかったそう。そんななか、車で移動中にとある農耕地で作業中のトラクターを発見し、農作業の邪魔にならないように配慮しながら撮影したそうです。「全部合わせると400羽以上かもしれません」と、そのときの様子を振り返ります。

　自然の営みを感じる貴重な光景ですが、もみじ卍ゅうさんにとっては特別珍しいものでもないそうです。「ここへ来るとたいてい見られる光景なので、そんなに珍しいとは思っていませんでした」と話し、大反響を呼んだことに驚いたようです。

　野生動物たちの生活を温かい目で見守るもみじ卍ゅうさん。これまでに出合った野生動物たちの記録は、noteやYouTubeチャンネル「もみじ卍ゅう」でも見ることができますよ。

（Hint-Pot編集部）