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七五三で2万円の想定外な出費…自分のミスにもかかわらず責め続ける夫に妻はモヤモヤ カウンセラーがアドバイス

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ

特別なトラブルには思わぬトラブルがつきもの…(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
特別なトラブルには思わぬトラブルがつきもの…(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 子どもの晴れの日や家族行事は、ちゃんと準備していても現場で小さなズレが連鎖して大ごとになることがあります。とくに七五三のように当日の緊張感が高い場面では、一度起きたトラブルが撮影代やレンタル着物代など“目に見える出費”となって残り、その後も家庭内の火種になり続けるケースも。5歳男児の七五三をした40代女性。どうやらその七五三以来、夫に対してモヤモヤを抱えているようです。夫婦カウンセラーのアドバイスとは。

 ◇ ◇ ◇

ヤンチャ盛りの5歳児が、やらかした!?

 関東にお住まいの田中治美さん(仮名)は昨年、夫と5歳になる息子の家族3人で、氏神様に七五三参りにでかけました。

 お茶やお菓子、ウェットティッシュにタオルと、準備万端で出かけたつもりでした。ところが、生まれて初めて着用した袴に息子は興奮して喉が渇くのか、「ママ、お茶ちょうだい!」を連発。持参したお茶をあっという間に飲み干してしまいました。

「それでも喉が渇いたというので、夫に神社近くのコンビニでペットボトルのお茶を買ってきてくれるよう頼んだんです」

 レンタルした袴にお茶をこぼして汚すことのないよう、「ストローも必ずもらってきてほしい」と治美さんは夫に頼みました。しかし、夫は肝心のストローを忘れて戻ってきてしまったといいます。

 そこで、治美さんは持参したボトル(ストロー付き)を洗って、新しいお茶を入れることにしました。ところが、水場を借りてボトルを洗っていると、夫がまさかの行動に!

 なんと息子にせがまれてお茶を手渡してしまったのです。「ダメ、お茶を渡さないで!」と叫ぼうとした次の瞬間、息子はお着物にお茶をぶちまけてしまいました。

「洗おうにも着物なので水洗いして良いかもわからず。写真館で撮影する直前だったので、ここで揉めたらこの空気が終わる、と言いたい言葉を丸ごと飲み込みました」

 結局、写真館からは、お茶のシミを消すためのレタッチ代を追加請求。さらに、広範囲にお茶がかかってしまったため、レンタル着物店からも高額なシミ抜き代を請求され、2万円を超える追加費用がかかるはめになってしまったそうです。

 七五三から1年経った今も、趣味は貯金という吝嗇家の夫は、この出費を思い出し不機嫌になるといいます。そして、チクチクと「七五三のせいで無駄な金がかかった」「あのときの2万円があれば……」などと文句を言ってくるのだとか。

「悪いのはストローを忘れたお前だろ! 私がボトルに移し変える前に飲ませたのはお前だろ! って……言いたくて言いたくて仕方ないんです」

“ケチ”は治らない病のようなもの!?

「言ってもい良いと思います。ただ、言ったところで状況が改善する可能性は高くないでしょう」

 そう話すのは、夫婦カウンセラーの原嶋恵さん。

「夫は“自分こそ被害者”だと思い込んでいるので、治美さんが文句を言っても『つらい思いをした自分を気遣いもせず責めてくるなんて』と、被害者意識をさらに強めるだけになってしまう可能性があります。離婚を考えるほどの話でないのであれば、『仕方ない、言わせておこう』くらいの距離感で受け流すのが賢明だと思います」

 ただし、「言わない=我慢する」ではないと原嶋さんは続けます。

「“口に出さない”のは関係を悪化させないための方法であって、感情を押し殺せという意味ではありません。紙に書き出す、信頼できる第三者に一度だけ話す、『同じことが起きたらこうする』と行動案に変える──いずれかの形で感情を外に出し、“処理”しておくことが大事です。溜め込むと、別の場面で噴き出します」

 さらに、今後同じ後悔を繰り返さないためには「夫に全面的に期待しない準備」が必要だといいます。

「ストローを常に持参する、ボトルを2本用意するなど、“夫に任せなくても困らない仕組み”をこちら側で作っておくこと。また、貯金が好きとのことなので、想定されるトラブルと発生し得る費用をあらかじめ夫に数字で伝えておくと、行動に結びつくかもしれません」

(和栗 恵)