仕事・人生
ワーホリ制度を活用して海外へ 安定より挑戦を選んだ日本人女性 決断の背景とは
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安定した仕事や生活を手放し、憧れの海外へと飛び立った2人の日本人女性がいます。パティシエの宇佐美葵さんと、元看護師の植木昌予さん。ふたりが新たなキャリアの舞台に選んだのは、イギリス・ロンドンにある日本パティスリー&カフェ「WA Cafe」でした。その決断の裏には、どんな思いがあったのでしょうか。ロンドンで働く2人の日本人女性に、その決断の背景と渡英までの道のりを聞きました。
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ロンドンの人気カフェ 日本文化へ の関心が後押しに
ロンドンに4店舗を展開する「WA Cafe」は、日本のパティスリー文化をロンドンに持ち込んだカフェです。「日本人パティシエ/ベイカーが作る和と洋の融合スイーツ」をコンセプトに、繊細な日本の技術で仕上げたケーキやパンを提供しています。
「WA Cafe」は平日でも開店前から店前には行列ができ、開店直後からひっきりなしにお客さんが訪れる人気店。店舗マネージャーを務める植木さんによると、アニメを観て「メロンパンを食べてみたい」と言われたり、ふわふわの日本のチーズケーキについてよく尋ねられたりするそうです。年々高まっている日本文化への関心の高さが、「WA Cafe」の人気を下支えしています。
現在、プロダクションマネージャーとして、製造現場全体のスキル指導やシフト管理を担う宇佐美葵さんと、店舗マネージャーとして接客を中心に店舗運営を担う植木昌予さん。ふたりともワーキングホリデーで渡英し、それぞれ7年前からロンドンにある「WA Cafe」で海外でのキャリアをスタートしました。
ともにワーキングホリデー制度がきっかけで渡英
宇佐美さんがイギリスに憧れを抱いたのは、小学生の頃に読んだ「ハリー・ポッター」シリーズがきっかけ。そして9年前、お姉さんと2人で初めてイギリスを旅行した際に「あ、この国、住めそうだな」と感じたことが、ワーキングホリデーへの応募を後押ししました。
一方の植木さんは、大学1年生のときに参加した1か月間のイギリス研修が転機でした。
「小さな頃から洋楽や洋画に触れていて、英語が身近だったんです。イギリスに1か月滞在して、もっと住んでみたいと思うようになりました」
ロンドンだけでなくさまざまな地域を回り、ホームステイも経験。「ひとりでもっといろいろなことをしてみたい」という思いが芽生えたといいます。
そのような体験を経て、ふたりとも抽せん制のワーキングホリデーに挑戦し、2回目の応募で見事当せん。当時のイギリスのワーキングホリデー制度は、パスポート番号だけの完全な運任せという抽せんでした。
「当たらない人はずっと当たらない。知り合いは9回目で当たったと言っていました」と笑う宇佐美さん。植木さんも「2回目で当たったときは、思ったより早かったなと」と、驚きを口にしました。
