Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

仕事・人生

総資産4億円の女性アナ 高校時代の経済的不安がきっかけに 投資歴12年のリアルストーリー

公開日:  /  更新日:

著者:芳賀 宏

アナウンサー、投資家として活躍する櫻井知里さん【写真提供:櫻井知里】
アナウンサー、投資家として活躍する櫻井知里さん【写真提供:櫻井知里】

 テレビやイベント、YouTubeでの司会などフリーアナウンサーとして活躍する櫻井知里さんには、投資家というもうひとつの顔があります。不動産を中心に、いまや総資産は4億円超え。なぜ投資を始めたのでしょうか。そのマネー哲学とは? 原点を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

高校時代の逆境がお金と向き合う原点に

 アナウンサーの仕事をしながら、不動産投資も本格的に始めて10年。現在は2棟39室を保有し、総額が4億円を超えました。しかし、最初から“投資のプロ”だったわけではありません。苦しい生活の中でお金の勉強を始め、20代から投資にチャレンジし、少しずつ資産を増やしていったといいます。

 そもそも、櫻井さんがお金と向き合うことになったのは、高校3年生のときでした。

「父が病気で入院したのが転機でした。仕事ができず、収入がない状態になってしまいました。高校生の自分も『どうやって生活していくのだろう』と、不安を感じたのがきっかけです」

 普段の生活費に加えて、もちろん治療費も入院費用もかかります。母親は当初、櫻井さんをはじめ家族に心配をかけないよう、家庭の経済状況をはっきりとは伝えず、互いにつらさを表に出すこともなかったそうです。しかし、多感な時期なだけに察するものはあったと振り返ります。

「早朝、学校へ行く前に近所のファミリーレストランで、夜は渋谷のデパ地下でアルバイトを始めたのです」と櫻井さん。進学校だったので、周りにアルバイトをする同級生はあまりいません。生活は一変しました。

 今でこそ「その頃、ダイエットしていたこともありますけど……」と笑いますが、精神的な負担もあったようで、体重が7キロほど落ち、心配されたこともあったとか。高校生のアルバイトのため、高収入というわけではないものの「毎月6~8万円くらいは家に入れて、生活費の足しにしていました」と話します。

 幸い、数か月で父親の病状は回復し、厳しい状況を脱することができましたが、初めて社会に接し収入を得る経験をしたことで、櫻井さんのお金に対する考え方に変化が起きました。

「お金がないというのは本当に大変なことだと。同時に働きながら『このままでいいのか? 何かを変えないといけない!』と考えたのが、今にして思えば原点かもしれません」