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メーガン妃とヘンリー王子 「王室離脱」の処遇に見られる“曖昧さ”を英紙が解説
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主要な王族の称号「HRH」の使用は禁止、サセックス公爵や王子はそのまま
「HRH(ロイヤルハイネス)」(殿下、妃殿下)の称号は返上ではなく使用禁止で、サセックス公爵、公爵夫人の称号はそのまま。王位継承6位は引き続きでプリンス(王子)とその妻のプリンセス(妃)と名乗るのも構わない……。ヘンリー王子とメーガン妃は王室の主要メンバーからの「引退」を宣言し、エリザベス女王もチャールズ皇太子、ウイリアム王子を交えて本人のヘンリー王子との会談し、この春を目安に「王族離脱」を認めた。現在、ヘンリー王子とメーガン妃はイギリスを離れ、長男アーチーくんと一緒に15億円ともいわれるバンクーバー島にある海の見える大豪邸で過ごしている。しかし、警備費負担やら、称号やら、ところどころに「曖昧さ」が見られることから、英大衆紙「デイリー・エクスプレス」が王室専門家に解説を求めた。
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ヘンリー王子とメーガン妃のふたりは、依然SNSの公式アカウント名を「ロイヤル・サセックス」としたままでいる。「ロイヤル」も「サセックス」もこの春の正式な「王室引退」とともに使えなくなるのか? また一方で主要な王族を意味する「HRH」(殿下、妃殿下)の称号も使えなくなっただけで“返上ではない”という解釈もある。
こうした夫妻の処遇に関する曖昧で不透明な部分が今、エリザベス女王に対して「ヘンリー王子とメーガン妃を特別扱いするため、ルール違反をしているのではないか」という非難の芽になっているという。
ダイアナ元妃関連の著作で知られる王室専門家のナイジェル・コーソーン氏はこうした“引退”に関して「明確な法律はありません。だからこうした急遽の対応になってしまう」とその舞台裏を解説する。
記事によると、王室の縮小で規則らしきものは、1917年にドイツと対戦した第一次世界大戦後、エリザベス女王の祖父であるジョージ5世が血縁があった当時のドイツ王室メンバーとの関係を断ち、英国王室直系だけを“ロイヤル・ファミリー”とする決断を書面にした「レターズ・パテント」があるという。
この103年前のジョージ5世の改革案に倣えば、次期国王のチャールズ皇太子の次男であるヘンリー王子は直系の王子。したがって“プリンス”を名乗ることは許され、その妻であることでメーガン妃も“プリンセス”となるらしい。
けれども今回の夫妻のような形で「王室離脱」をするのは異例で、無論、王室内に「明確な規則」は存在しない。というわけで、メーガン妃とヘンリー王子の処遇に関しては、今後も女王は王室内の意見を調整しながら、当然世論との兼ね合いもみて、慎重に対応する必要がある。
こうした部分でもメーガン妃とヘンリー王子の行動は「規格外」。春の王室離脱に向けて、警備費などもまだまだ不透明で曖昧な部分が多い。今後も様々な問題が浮上し、93歳とご高齢のエリザベス女王を悩ませる頭痛の種となるに違いない。
(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)