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床暖房がある部屋でのNG行為 暖房効率を下げる意外な落とし穴とは
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教えてくれた人:伊藤 まき

見えないところで、部屋をじんわり温めてくれる床暖房。実は、家具の置き方ひとつで、暖房効率が大きく変わることをご存じですか? 電気代やガス代が上がる今だからこそ、無駄なく暖かく過ごしたいもの。さらに、床暖房の上に重たい家具を置いてしまい、床材や家具が変形したり、ゆがんでしまったりして、思わぬ出費につながることもあります。そこで、床暖房のある部屋でのNG行為について、整理収納アドバイザーの伊藤まきさんにお聞きしました。
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床暖房の上に家具を置かないほうが良い理由
床暖房は、床下に設置されたヒーターや温水パイプから床面をじんわり温め、部屋全体を暖める仕組みの暖房です。しかし、床暖房の上に家具を置いてしまうと、そこに熱がこもってしまい、床暖房の放熱を妨げ、暖房効率が低下してしまいます。
電気代、ガス代が値上がりしている今、こうした「もったいない」を防ぐためにも、家具を上に置くことは避けましょう。
家具を置いてしまうことで、床材の劣化や変色、さらには家具の変形・損傷といったリスクも高まります。とくにピアノは要注意。熱による影響で音が狂う、響板が割れたりゆがんだりするなど、致命的な問題が生じる可能性もあります。
また、ピアノは非常に重量があるため、床材だけでなく、床暖房のパイプやパネルが損傷してしまうことも。食器棚やタンスなど、一見軽そうな家具でも、中身を入れることでかなりの重さになります。これらも熱と重量の両方によるダメージを受けやすいため、床暖房の上に家具を置くのは、できる限り避けましょう。
キャスター付き家具やプラスチック素材にも注意
また、キャスター付きの椅子や収納ケースなどプラスチック素材のものを使いたい場合は、床暖房対応のラグやカーペットを敷いてから使用することをおすすめします。
スペースの関係で、どうしても家具を置きたい……というのであれば、熱がこもりにくいよう、脚付きのテープルやソファを選びましょう。床暖房メーカーや施工業者に、耐荷重の目安や床材の仕様について確認しておくことも大切です。
また、家具の確認も忘れずに。とくにアンティークの家具は、使われている塗料や接着剤などの成分情報を確認できず、熱により劣化しやすい可能性があります。はがれやひび割れの原因になるので、床暖房の上に置くことは避けたほうが良いでしょう。
大切な家も、お気に入りの家具も長く使いたいなら、床暖房の上に家具を置かないこと。それが、暖房効率を保ち、家全体を守る方法です。
(和栗 恵)
伊藤 まき(いとう・まき)
整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
インスタグラム:maki_organize
