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七五三の日に起きた“義母トラブル” 妻が離婚を考えたたった1本の電話…その後の夫のひとことにイライラ
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教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ

七五三という家族の節目の日が、「離婚を考えるようになった」きっかけになったという30代女性。その原因は、たった一本の電話でした。どちらの親に先に電話をしたかという、そんな些細なことが、夫婦の間に深い溝を生むことになったのです。夫婦カウンセラーのアドバイスとは。
◇ ◇ ◇
電話をかけただけなのに!?
関東地方在住の坂田ひまりさん(仮名・30代)は、2人の子どもたちの七五三を機に離婚を考えるようになったといいます。遡ること2年前。夫婦で相談し、七五三のお祝いは自分が住んでいるエリアにある神社で行い、自宅で食事会を開くことになりました。
その旨を伝えるため、ひまりさんはまず義実家に電話をかけました。しかし、留守番電話にだったため、「あとでかけ直します」とメッセージを残しました。続いて自分の親に電話をかけると、喜んで招待を受けてくれたそうです。その後、あらためて義実家に電話をかけ、予定を伝えると、こちらも快く参加してくれることになりました。
こうして迎えた七五三当日。義父とともにやってきた義母の機嫌が非常に悪いことに気づきました。
「お義母さん、どうしたのかなぁ? って夫に聞いたんです。そしたら『先に自分の親に電話をしたのが気に食わないみたいだよ』って……」
夫の言葉に、ひまりさんは思わず耳を疑いました。祝いの席でそんな細かいことに怒り続ける義母にもあきれましたが、電話がつながった順番をわざわざ義母に伝えた夫にも、イライラが募ったといいます。
その日の夜、ひまりさんは夫と話し合いをしました。電話をした日、夫は隣にいて、夫の両親が留守にしていたことは知っていました。それなのに、引っ掻き回すようなことを言ったのは「どうして?」と尋ねると、夫は「こういうものには順序ってものがあるってお母さんが言うから……」と言葉を濁したそうです。
さらに、本来なら夫本人が電話して伝えるべきところを、代わりに連絡しただけなのに、「夫の実家に先に電話をしなければいけない」という考えが理解できませんでした。
「それっておかしくない?」と問いかけても、夫はバツが悪そうに黙り込むばかり。結局、自分の非を認めることも、謝ることもなかったといいます。
「こういうことは二度としないでほしいと伝えてその場は終えましたが、今回のようなことがこれまでにも何度もあったんです。優しい人だと思っていたのですが、とんだダメ夫だったかと結婚を後悔しています……」
「夫がこの構図に気づかない限り、同じ問題は何度でも起きてしまう」
これまでにも夫がしでかしてきたことを思い出して怒りがこみ上げるというひまりさん。心はすでに7割方、離婚へと傾いているといいます。夫婦カウンセラーの原嶋恵さんは、今回の出来事をこう分析します。
「今回の問題は、夫が“母と妻の間で板挟みになる状況”を自ら作り出しているようにも見えます。無意識のうちに、母の機嫌をとりながら自分が矢面に立たないように立ち回っているのかもしれません。ですが、それは結果的に妻を犠牲にする行動です。夫がこの構図に気づかない限り、同じ問題は何度でも起きてしまうでしょう」
原嶋さんによると、こうしたタイプの夫は、悪気がないまま“親の価値観”を基準に行動してしまうことが多いそうです。そのため、妻が不満を募らせても、「何が悪いのか」がピンと来ていない場合もあります。
「まずは“私はこう感じた”と、感情を主語にして伝えてみてください。責めるより、あなたの心の痛みを具体的に共有することが大切です。それでも理解が得られないようであれば、関係の軸がすでにすれ違っている可能性があります。無理に歩み寄ろうとせず、“自分を守る選択”を考えてもいいと思います」
最後に、原嶋さんはこう締めくくります。
「夫の“優しさ”が、相手を思いやるものなのか、それとも自分を守るためのものなのか。その違いを見極めることが、今後の人生を決める大切な判断になるでしょう」
(和栗 恵)