日本を訪れた外国人に強いインパクトを与えるのは、おいしい食事や美しい自然だけではありません。整然とした街並み、礼儀正しい人々、伝統と現代が共存する景観は、海外から来た人たちにとって、新鮮な驚きと深い感動をもたらします。イタリアで建築を学ぶ男性も、日本に来て強い刺激を受けたそうです。とくに印象に残っている都市とは、どこなのでしょうか。

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大学の交流プログラムで鹿児島へ

　イタリア人のフィリッポ・モニさん。2023年2月から1か月ほど日本に滞在し、同年11月に再訪日しました。

　フィリッポさんが日本へ来たきっかけは、大学間の交流プログラムでした。フィレンツェの大学で建築を学んでいることから、鹿児島の大学で研究を行い、1週間のワークショップにも参加。公園を設計するなど、貴重な体験を積みました。

「日本の、失われつつある歴史的な建造物の保存などに興味があります」と話すフィリッポさん。日本での滞在は、学問的な学びだけでなく、文化的な発見に満ちた時間となったようです。

世界の中心的な巨大都市で感じた「強いインパクト」

　日本に滞在中、鹿児島で研究活動を行いながら、東京にも足を延ばしました。初めて目にした日本の首都の姿は、想像をはるかに超えるものだったようです。

「少しは想像していましたけど、東京はとてもパワフル。未来都市的な、大きな力を感じました。魅力的な都市です」

　これまでも世界各地を旅してきたというフィリッポさんですが、東京は特別だったと振り返ります。

「僕は日本へ行く前にも、いろいろな旅を経験していました。そのなかでも、東京は強いインパクトが感じられました。地方では文化的なギャップがありましたが、東京は英語を話せる人も多かったです」

　高層ビル群と歴史的な寺社が共存し、最先端の技術と伝統文化が交差する東京。世界中から多様な人々が集まっており、この都市が持つエネルギーは、建築を学ぶフィリッポさんにとって大きな刺激となったようです。

　東京の都市としての魅力とともに強く印象に残ったのは、日本人の振る舞いでした。母国イタリアとの違いについて、フィリッポさんは率直に語ります。

「イタリア人とはすごく違います！　もしみんなが日本人だったら、世界はより良くなりますね、たぶん。みんな礼儀正しいですし、親愛が持てます。みんな優しく、協力的で助けてくれます」

　外国人観光客の日本への満足度は非常に高く、その要因のひとつとして「日本人のおもてなし精神」が挙げられます。丁寧な言葉遣いを心がけたり、相手へ配慮したりという日本人の日常的な振る舞いが、海外から訪れた人々の心に深く刻まれるようです。

　都市が持つエネルギーと人々の温かさに触れ、日本という国への理解を深めることができた様子のフィリッポさん。東京で感じたパワフルな刺激と、日本人の礼儀正しさは、遠く離れたイタリアに帰ったあとも、ずっと心に残り続けているようです。

（Hint-Pot編集部）