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なぜ「きんぴらゴボウ」と呼ぶのか? 定番おかずの意外すぎるルーツとゴボウの栄養を聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

総菜の定番、きんぴらゴボウ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
総菜の定番、きんぴらゴボウ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 秋から冬にかけて、旬を迎えるゴボウ。香ばしさと歯ごたえが魅力で、「きんぴらゴボウ」は定番おかずのひとつです。ところで、この「きんぴら」とは何を意味するのでしょうか。実は、昔話や童謡でおなじみの主人公に関係する説があるそうです。ゴボウの栄養も含めて、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

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江戸時代に庶民の惣菜として人気

 ゴボウは、薬草として日本に伝来したとみられていますが、江戸時代になると各地で栽培が始まり、広く食べられるようになりました。とくに、千切りやささがきにして炒め、しょうゆやみりん、唐辛子で甘辛く味つけしたものを「きんぴらゴボウ」と呼び、保存性も良く、惣菜の定番としたといわれています。現在でも、おかずとして日常の食卓に登場しますが、おせち料理や祝い事、弔事などでも食される料理です。

 きんぴらゴボウの「きんぴら」は、江戸時代に流行した古浄瑠璃「金平浄瑠璃」の主人公「坂田金平」に由来していると伝えられています。坂田金平とは、昔話や童謡で知られる「金太郎」こと「坂田金時」の息子。実在したか定かではありませんが、父の怪力を受け継いだ、強くて丈夫な人物として知られていました。

 そこで当時の人は、ゴボウのアクの強さとしっかりした食感、唐辛子のピリ辛さを、坂田金平の勇ましさになぞらえて「きんぴらゴボウ」と呼ぶようになったとする説があります。

 きんぴらは、ゴボウとニンジンを合わせたものが主流です。のちに、レンコンなど歯ごたえのある野菜を炒めて甘辛く味つけしたものも、きんぴらと呼ぶようになったといわれています。