漫画
「私は黒い服が着られなくなった」 偏見を受けることも…皮膚の病気「乾癬」のリアル 女性が描いた実体験漫画に感謝の声
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「自分のつらい感情ばかりをフィーチャーせず、簡潔に」
清野さんに、漫画を描いたきっかけや病気との向き合い方について、詳しく話を伺いました。
Q. 今回の漫画でとくに描き方に注意した点は?
「どんな病気なのかわかりやすいよう、自分のつらい感情ばかりにフィーチャーするのではなく、できるだけ簡潔に伝わるように描くことを心がけました。難しかったのは、皮膚の断面図です。自分のタッチと合わせるので、あまりリアルで複雑なものにしたくなく、たくさん調べて要素を最低限にして描きました」
Q. 描く決意をしたきっかけは?
「大きなきっかけはないのですが、年々ひどくなる症状に対して、自分の身近な人に知ってもらいたいという気持ちが一番でした。その次に患者数の割に認知度が低いこと、世界乾癬デーがあることを知り、認知度アップのために自分ができることは何かを考えて、世界乾癬デーに合わせて漫画を描くことを決めました」
Q. 診断されたときの詳しい心境を教えてください
「私もなるまで知らなかったので『何それ?』が最初の気持ちでした。また、判明するまでは治るものなのかなと軽い気持ちでいたのですが、そうではないと知り、ショックでした」
Q. 季節で症状の変化は?
「乾燥する冬である今は、ほかの季節に比べて、やはり荒れやすいです。夏は湿度があるので、症状は比較的落ち着きます」
「女性も白シャツくらいはOKになると…」
Q. 罹患後、価値観や社会の見え方に変化は?
「今まで大きい肌トラブルがなく生きてきたので、冬に着る防寒インナーの素材を気にしたことがありませんでした。しかし、乾癬になってからは、袖を通すときにめくれた皮膚に引っかかるのが気になり、綿の防寒インナー一択になりました。また、喪服を着るとき、フケが気になってしまって故人とのお別れに集中できないので、女性も白シャツくらいはOKになるといいなと思いました」
Q. 心に残った読者の感想は?
「『読みやすくて視野が広がった』『この漫画のおかげで知ることができた』『28年乾癬だが、世界乾癬デーを知らなかった』『少しでも理解が広がりストレスが減りますように』『病院行くきっかけになりました。ありがとう』など、さまざまなお声をいただきました」
あまり知られていない病気だからこそ、当事者の声を届けることの大切さを感じさせる清野さんの漫画。「知ってもらうことが一番の救い」という言葉が、多くの人の心に響いたようです。
(Hint-Pot編集部)