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エアコンの性能をムダにしてない? 暖房効率を下げる“家具の置き方”とは
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著者・教えてくれた人:伊藤 まき

人の熱や床の温度などを感知し、最適な環境になるよう温度や風向・風量の調整をするなど、エアコンは近年めざましい進化を遂げています。しかし「家具の配置を間違えると、せっかくの機能が台無しになってしまうことがあります」と注意を促すのは、整理収納アドバイザーの伊藤まきさん。暖房効率を下げず、エアコンの性能を最大限引き出すために、どのような家具の配置が正解なのでしょうか。
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エアコンの真下に背の高い家具を置くのはNG
効率良く部屋を暖めるために絶対にしないでほしいのは、エアコンの真下や送風口に近い場所に、タンスや本棚、ワードローブ、ついたてなどの背の高い家具、背丈の高い観葉植物を置くこと。温風の通り道が遮られ、エアコン周辺だけが温まってしまうため、センサーが誤認。温度や送風を弱めてしまうことが考えられます。
洗濯物を乾かすために、送風口の下にランドリーポールを付けて洗濯物を干している家庭を見かけますが、こちらもNG。洗濯物が温風の拡散を妨げてしまう上に、洗濯物に風が当たることで必要以上にほこりが舞い、エアコンのフィルターに詰まりやすくなります。
また、背の高い家具と同様にエアコンのセンサーが誤作動を起こし、温度ムラを発生しやすくなることも。エアコンの周囲にはできるだけ家具は置かず、空間を広く確保するようにしましょう。
サーキュレーターを効率よく使って
そうして空間を確保したら、サーキュレーターを使って空気を循環させるのが室内を効率よく暖めるコツ。サーキュレーターは床に置き、ななめ上に向くよう角度をつけましょう。天井付近に溜まった暖気が攪拌され、足元に暖気が下りてくるようになります。
エアコンを設置する際、経費を抑えるために配管が短くて済む「窓の近く(窓の上)」に付けることが多いです。しかし、窓は冷気の入り口となっていて、窓の冷気によりエアコンの温風が打ち消されてしまうことも。また、エアコンのセンサーが冷気を感知してしまい「まだ寒い」と誤認。必要以上に高い温度で運転し続けてしまう可能性もあります。
エアコン効率を高めるためにも、エアコン付近の窓は二重窓を設置したり、断熱カーテンなどで冷気を遮断したりすることが大切です。また、暖房を使う際は、エアコンのルーバー(風向きの羽)は必ず上向きに。温かい空気が部屋全体にいきわたるよう工夫しましょう。
(伊藤 まき)
(和栗 恵)
伊藤 まき(いとう・まき)
整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
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