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「さすが日本人!」「どうやってやるんだ!?」 日本のマナーに悪戦苦闘した外国人 「素晴らしい」と称賛した文化とは
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日本では、日常生活の中で自然と身につけられている所作や気配りが、多くの外国人から称賛されることがあります。家庭や学校で当たり前のように受け継がれている振る舞いは、海外の人から見ると新鮮で、深い思いやりの文化として映るようです。6月下旬からアメリカ・ロサンゼルスに住むYoさんが、現地の生活実情や外国人から見た日本の印象などを綴るこの連載。第17回は、外国人が思わず感心した日本ならでは文化です。
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ロサンゼルスにある焼き肉店へ 箸がうまく使いこなせず…
近年の日本食ブームも相まって、箸を器用に使いこなす外国人も見られるようになってきました。ただ、使い慣れていない人にとってはやはり使い方が難しいようです。
先日、同じ語学学校に通うカナダ人、フランス人、スイス人と一緒に、ロサンゼルスにある焼肉店に行きました。その店は箸で食事をするスタイルで、フォークやスプーンは出てきません。
普段、箸を使う習慣がない彼らは悪戦苦闘。「どうやってやるんだよ!? 難しすぎる!」と、味を楽しむどころではありませんでした。
正しい使い方を教えても、みんなどうしてもうまく使えず、箸先がバラバラになります。「これは本当にタフね……頭が混乱しちゃう」と、箸を使う文化がない人たちは困惑。代わりに筆者が肉を取り分けると、「さすが日本人!」と、箸で素早く正確に肉を掴む様子に驚いていました。
カナダ人「幼いころから教えるのは素晴らしい」

日本では、箸の扱いは日常生活の基本的なマナーとして広く意識されています。食卓での所作として、幼い頃に家庭で教わるもののひとつです。正しい持ち方や動かし方を身につけるための補助具が販売されているほど、箸のマナーは大切な文化として受け継がれてきました。
そんな話を伝えると、カナダ人は「幼いころから次の世代に教えるという文化は素晴らしいね。とっても大切なことだと思う」と感心。来日経験のあるフランス人は、「歴史や文化を残すことは大切なこと。箸の使い方を伝えていくことも、そのひとつなのかな」と話していました。
箸使いの教育は、単に礼儀やマナーを守る大切さを伝えるだけではなく、忍耐力や集中力、指先の繊細な動作を学ぶことにもつながるとされています。何気ない日常的なことに心を込め、小さなことを丁寧に教える日本の文化。日本にいれば当たり前に思うものですが、外国人と過ごす環境の中で、その良さを改めて知ることができました。
(Yo)
Yo(ヨウ)
新聞社に5年、ネットメディアに6年勤め、スポーツを中心に取材・執筆・編集活動をしたのちに退職。30代半ばでアメリカ・ロサンゼルスに拠点を移した。大学時代はバックパッカーとしてアジア、南米を放浪。仕事を含めて20か国近く訪れたものの、意思ばかり伝えてリスニングが苦手な一方通行イングリッシュに終止符を打つべく、英語習得にも励んでいるところ。
