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「お返ししようにも献血できない」→難病の女性が唯一できるボランティア!1年8か月で31センチも伸ばした「美しい髪」の行方とは
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1年8か月で31センチ 美容師も驚く早さ

Sugakoさんは、脊髄炎を起こす自己免疫疾患の難病を抱えており、四肢に麻痺があるため、車いすで生活しています。日頃から免疫を抑制する薬を服用し、体調によっては血漿交換という、血液製剤を使用した治療を受けることもあるといいます。
献血してくれる人の善意で作られた血液製剤のお世話になっているものの、自身は献血することができません。臓器移植の同意はしているそうですが、それが役立つのは今ではありません。Sugakoさんがそんななかで見つけた、自分にもできる社会貢献がヘアドネーションでした。
初めてヘアドネーションを行ったのは2019年。ヘアドネーションを受け入れている美容師さんと知り合ったことがきっかけでした。
「献血してくださる方の善意で治療を受けられているのに、自分は献血することができません。また、病気の後遺症で手足も不自由で、災害ボランティアなど体を使うこともできないので、何かできることはないかな? と思っていたときに、ヘアドネーションを知ったんです。これなら私でもできると思って始めました」
1回目はあとのことを考えず、ばっさりとショートカットにしてしまったため、そろえるまでに時間がかかってしまったそう。さらには入院などもあり、2回目ができたのは2024年3月のことでした。
Sugakoさんは1回目の失敗を生かし、3回目は順調に髪を伸ばすことができたそうです。そして、美容師さんも驚く1年8か月という期間で、約31センチの髪を提供することができました。
「本当はもう少し長いほうが、需要が大きいみたいなので、31センチだと短いかなと思います。でも、首の力が弱くてこの長さまでが重さの限界なので、もう少し自分の力があったらな……と思ってしまいます。それでも『ありがたいです』と言ってくださる美容師さんのおかげで、少しは役立つかなと思えます」
これから冬を迎えるにあたり、Sugakoさんはこんな思いを話します。
「冬季は、感染症などで献血が減ると聞いています。なので、健康で提供できるよという方が、ひとりでも増えるといいなと思います。また、輸血するような大きなけがをしないことも、立派な貢献だと思っています」
今回の投稿で、「代わりに献血行くよ」「お返しだなんて考えなくてもいいよ」など、自分なりのやり方で社会貢献をする姿に称賛する声がたくさん寄せられました。Sugakoさんは「31センチの髪以上にたくさんの優しさをいただき本当にありがたいです」と感動を語ります。
「日頃、たくさんの方に支えていただいているので、私にできることを、ほかにも何か探したいなと思います。そして、リプライやリポストしてくださったように、優しい言葉をかけられる人になりたいと思いました」とSugakoさん。優しさの輪は、彼女の思いを受け取った人たちへ、そしてさらにその先の誰かへと広がっています。
(Hint-Pot編集部)