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「こんなに幼いうちから意味があるのだろうか?」→日本人ママが抱いた素朴な疑問 ハワイの早期教育で不思議に思ったこととは

公開日:  /  更新日:

著者:i-know

息子が4歳のときに習っていたサッカー。試合でどう立ち回ればいいか分からず、右往左往【写真:i-know】
息子が4歳のときに習っていたサッカー。試合でどう立ち回ればいいか分からず、右往左往【写真:i-know】

 日本で早期教育といえば、「幼児期からお勉強系の習い事をさせる」というイメージが強いかもしれません。しかしハワイでは、スポーツに力を入れている家庭がとても多いそうです。ハワイで子育てをする主婦ライターのi-know(いのう)さんは、その理由を考察するなかで、日米間のカルチャーギャップを感じたといいます。第80回は「ハワイの早期教育~スポーツ編~」です。

 ◇ ◇ ◇

日本とアメリカの“スポーツ早期教育”の違い

 今回は、早期教育のなかでもスポーツに絞って、日米の比較をしたいと思います。

 まず日本では、基礎体力を子どもにつけさせるために、幼児期から水泳を習わせたり、体操教室に通わせたりするご家庭が多いと思います。たとえば、五輪で金メダルを獲得した競泳の北島康介さんは5歳から、体操の内村航平さんは3歳から競技を始めていたという話はよく知られていますが、こうした「幼児期に始めるのが有利」という考え方は、どちらかというと個人競技に強い傾向があります。

 一方で、野球やサッカーなどのチームスポーツは、日本では少し大きくなってから。小学生以降に始める子が多い印象があります。私の周りでも、実際にスポーツ少年団に入るのは小学生になってから、という家庭がほとんどでした。 

 世界で活躍する日本人選手を例に挙げると、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手は、幼児期から水泳を習っていたそうですが、小学2年生のときに野球を始めたそうです。バスケットボール最高峰のNBAで活躍する八村塁選手は、小学校時代に陸上と野球で活躍し、バスケットボールを始めたのは中学校に入ってからです。

アメリカでは“3~4歳が当たり前”のチームスポーツ文化

 一方、アメリカはというと、チームスポーツを3~4歳から子どもに習わせる家庭がとても多いです。幼児期のスポーツとして人気なのは、サッカーやアメリカンフットボール、野球、そしてバスケットボールです。

 息子は4歳のときにサッカーチームに入っていました。練習内容は、基礎練習が半分、そして残りの半分は試合で、試合に対する比重が大きいのが印象的でした。ボール使いやパスが下手ながらも試合をさせて、実践での経験を積ませるのがアメリカ流のようです。

 しかし、試合でまったくチームプレーができていない我が子を見て、「こんなに幼いうちから試合をさせて、意味があるのだろうか?」と疑問が湧き、半年で辞めさせてしまいました。

街の至るところに公営バスケットボールコートが。それでもコートが埋まっていて、練習できないことも【写真:i-know】
街の至るところに公営バスケットボールコートが。それでもコートが埋まっていて、練習できないことも【写真:i-know】

 それ以降は水泳を習うなど、基礎体力をつけること重視した習い事に切り替えましたが、あれから4年。現在8歳の息子は、少し興味を抱いているバスケットボールを始めることになりました。

 8歳というと、日本の感覚ではバスケットボールを始めるのにちょうど良い年齢だと思います。しかし、練習初日に私も息子もビックリ。同年代の子どもたちが、すでに“超絶”うまいんです……!

 周りの保護者に聞いてみると、すでに3~4年はバスケットボールを習っているか、またはチームに入る前から、公営コートや家の庭で親が指導しているケースが多いようでした。アメリカの三大スポーツなだけあって、学生時代にバスケをしていた親御さんもとても多いです(ほか2つは野球とアメフト)。

 ちなみに、WBC日本代表として活躍し、日本人のお母様を持つラーズ・ヌートバー選手は、カリフォルニア州出身。4~5歳で野球を始めたそうで、大谷選手などの日本人メジャーリーガーと比べると、2~3年も早いです。

 つまり、スポーツを早期に始めることは、ハワイだけでなく“アメリカのスタンダード”といえるのかもしれません。その理由のひとつとは、「スポーツ特待生として大学にいって、奨学金をもらって欲しい」と考える親御さんが多いから、ではないかと。ハワイの親御さんと話していて、そう感じることが多々あります。

 親が子どもに賭ける思い、そして年々値上がりする大学の学費……といったお話は、次回にご紹介したいと思います!

(i-know)