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ホテルの客室に「使い切りにご協力を」のトイレットペーパー なぜ増えた? NGな使い方とは

公開日:  /  更新日:

著者:小林 千花

ホテルの客室に備え付けられているトイレットペーパー(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ホテルの客室に備え付けられているトイレットペーパー(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 近年、ホテルの客室で「トイレットペーパーの使い切りにご協力ください」という案内を見かけることが増えています。一見、些細なお願いのように思えますが、そこには環境への配慮や衛生管理、清掃業務の効率化といった、さまざまな理由が込められているようです。また、トイレットペーパーの使い方ひとつで、思わぬトラブルを招く可能性もあります。ホテルのエキスパートとして活躍する小林千花さんが、その背景と適切な使い方について解説します。

 ◇ ◇ ◇

環境への配慮から運用に変化

 近年、ホテルの客室で「トイレットペーパーは使い切りにご協力ください」と案内されるケースが増えています。この背景にあるのが、環境への配慮です。

 従来は、残量が少ないロールは交換して廃棄するという運用が一般的でしたが、この方法では使用可能な紙が無駄になりやすいという課題がありました。そのため、紙資源の消費を抑える目的で、使い切りをお願いする施設が増えているのです。

 さらに、この運用は衛生管理や清掃作業の効率化にもつながります。残量によって交換の要否を判断する必要がなくなり、清掃スタッフが迷わず作業できる点もメリットとされています。

使い切らなくても持ち帰りはNG

「使い切りにご協力ください」との案内があるとはいえ、過度に使用してよいという意味ではありません。大量の紙を一度に流すと、配管が詰まってしまい、その客室だけでなく施設全体に影響が及ぶ可能性があり、復旧に大きな手間がかかってしまいます。

 さらに、使い切らなかったものを持ち帰るのもマナー違反です。トイレットペーパーはホテルの備品であり、持ち帰りを前提としたものではありません。

 トイレットペーパーは日常的に使う消耗品であるため、つい感覚が緩みがちです。しかし、ホテルという共有の空間では、必要な量を適切に使用することが大切といえるでしょう。

(小林 千花)

小林 千花(こばやし・ちか)

1995年10月3日、東京都港区生まれ。2018年から生島企画室に所属し、舞台を中心に俳優として活動。曽祖父が都内でホテルを創業し、“ホテル一家”に生まれ育ったホテルのエキスパート。特技は「一度お会いした人の顔と名前を覚えられる」。趣味はホテルめぐり、宝塚観劇。「利き酒師」の資格も持っている。身長155センチ、血液型O。