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からだ・美容

のど飴は逆効果? 耳鼻科医が警鐘を鳴らす「休まずなめ続けること」の落とし穴 風邪予防の新常識「のど保湿」が重要な理由

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:内尾 紀彦

のど保湿の具体的な実践方法

 では、のどを正しく保湿するには、どうすればよいのでしょうか。内尾先生によると、「のどの毛(線毛=せんもう)を守る意識で、早めに対策すること」が大事だそう。

 のどには、ウイルスなどの異物を外へ掃き出す「線毛」という細かい毛があります。この毛は乾燥に弱いため、常に潤して「動きやすい環境」を作ってあげることが保湿の目的です。

 実は、空気が乾燥し始める11月頃から、保湿を始めるのがベストですが、今からでも間に合います。のどの痛みがなくても始めましょう。

「『のど乾燥スパイラル』に入ると、乾燥して線毛の動きが鈍くなり、炎症が起き、さらに動きが悪くなる……という悪循環に陥ります。この悪循環に入る前に、先回りして水分補給や保湿、また(生理食塩水などを使った)携帯用のネブライザーや加湿器を使用するのも有効です」

健康的に新年を迎えるための3段構え

 冬に風邪やインフルエンザの重症化を防ぎ、健康的に新年や受験シーズンを迎えるために、内尾先生は「のどケア」と「免疫キープ」をセットで行うことを推奨しています。

 医学的に最も効果的なのは、のどの「追い出す力」と、体の「戦う力」の両方を高めることだそう。以下の優先順位で対策を固めましょう。

1、基本の手洗い・マスク【門】:ウイルスの侵入量を減らす
2、のどの保湿【玄関のカギ】:ウイルスを追い出す機能を守る
3、強化免疫ケア【警備員】:体の防御力を底上げする(規則正しい生活、睡眠をよくとる、栄養バランスを整える)

 この3段構えをバランスよく行うことが、風邪やインフルエンザの重症化を防ぐための「最適解」です。年末年始を健康で過ごすために、今日から「のど保湿」を意識してみてはいかがでしょうか。

(Hint-Pot編集部)

内尾 紀彦(うちお・のりひこ)

東京慈恵会医科大学医学部医学科卒。東京慈恵会医科大学附属病院耳鼻咽喉科助教として喉頭外来の責任者を務めたのち、2021年7月より、そらいろ耳鼻咽喉科センター北駅前院院長。音声治療を中心に地域医療へ携わる一方、アナウンサーや歌手など仕事で声を使うプロまで、幅広い層の診療に当たっている。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 耳鼻咽喉科専門医。