仕事・人生
「高齢者が逃げ遅れてしまうことも」 元俳優・岩佐真悠子さんが「命を守る」ための知識を発信する切実な思い
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介護は、多くの人にとって突然やってくるものです。どうしても暗く考えがちなテーマだからこそ、「もっと身近に感じてもらいたい」と発信を続けているのが、元俳優で現在は介護の現場に立つ岩佐真悠子さんです。今回は、発信活動で得た手ごたえや、介護と防災をかけ合わせた現在の取り組みについて話を聞きました。
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発信することで得られた手ごたえ
「ある日突然、分厚い冊子を突然渡されても読めないし、わからない。介護の仕事をしていてもよくわからないのに、普通の人はもっと大変だろうなって」
そう語る岩佐さん。2020年に芸能界を引退後、長年の友人であり介護タレントとしても活動する西田美歩さんの誘いで、未経験のまま介護の世界に足を踏み入れました。特別養護老人ホームやデイサービス、訪問介護、介護老人保健施設など、さまざまな現場で経験を重ね、現在に至ります。
介護の現場に立ちながら、西田さんとともにYouTubeチャンネル「介護士★西田岩佐」で、楽しく介護の情報を発信。介護のイメージを少しでも明るく、身近に感じてもらえるような取り組みも続けています。
そうした発信を続けるなかで、岩佐さんのもとには、さまざまな反応が届くようになりました。
「トークイベントに来てくださった方で『介護職やってみようと思いました』と言ってくださった方がいました。また、今まで興味がなかったけど、介護のことをいろいろ調べてみようと思ってくださった方がいたり。『つらかったけど、少し元気が出ました』とか言ってもらえると、やっぱりすごくうれしくて」
しんどい、汚い、つらい……そして、制度も複雑で意味がわからない、そんなネガティブなイメージが持たれがちな介護。しかし介護は、される側としてもする側としても、誰にでも起こり得ることです。
「介護は急に降ってくることだからこそ、早い段階で興味を持って、知っていただくきっかけに、私たちがなれればいいなと思っています」
完璧には理解していなくても、使える制度があることだけでも知っていれば、いざというときの不安は大きく違ってくる。そんな思いが情報発信の根底にあるといいます。
