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薬を水以外の飲み物で飲むとどうなる? 効果を下げないために気をつけることとは 医師に聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

薬は正しく服用することが大切(写真はイメージ)【写真:写真AC】
薬は正しく服用することが大切(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 気温の低下や空気の乾燥により、体調を崩す人が増える季節になりました。不調を感じたときは、薬を飲んで症状を抑える場合もありますが、正しく服用しないと、薬の作用に影響を及ぼすことがあります。日常的に気をつけたい薬の適切な服用方法について、医療法人社団筑三会理事長の鈴木隆二医師に伺いました。

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水以外で飲むと薬の吸収に影響が出る

 薬を服用するとき、水では飲みにくいからといって、お茶やジュースなどで飲んでしまう人もいるかもしれません。しかし、飲み方としては避けたほうがいいでしょう。それは薬が、基本的に水で服用することを前提に設計されているからです。

 お茶やコーヒーで飲んでしまうと、それらに含まれるカフェインやタンニンが一部の薬の成分と反応し、吸収を妨げたり、効果を弱めたりすることがあります。また、牛乳はカルシウムが抗生物質などと結合して、吸収を阻害することが知られています。

 とくに注意したいのが、グレープフルーツジュースです。代謝酵素を阻害し、薬の血中濃度を上昇させて、副作用を強めるおそれがあります。したがって、常温の水をコップ1杯程度、用意して飲むのが最も安全です。

粉薬や錠剤 飲みにくい場合はどうする?

「粉薬は一気に飲まないと効果が落ちる」と聞いたことがある人もいるでしょう。実際には、粉薬を一度に飲んでも、分けて飲んでも、基本的な薬効は変わりません。

 ただし、口の中に長くとどめると苦味や刺激を感じやすくなり、吐き出してしまうリスクがあります。そのため、「一気に飲んだほうが服用しやすい」という意味で推奨されることがあるのです。

 効果が落ちるわけではありませんが、確実に飲み切ることが大切。服用しやすいよう、少量の水と混ぜたり、オブラートを利用したりするのもいい方法です。

 大きな錠剤やカプセルが飲みにくい場合、割ったり砕いたりして飲む人もいるかもしれません。しかし、これは薬の作用に影響する場合があるため、注意が必要です。

 薬のなかには「徐放錠」という、時間をかけてゆっくり効くように設計されたものや、腸で溶けるコーティングが施されたものがあります。これを割ったり砕いたりすると、想定よりも早く吸収されて副作用が出たり、効き目が短くなったりする場合もあります。

 割っていい薬かどうかは、医師や薬剤師に確認することが大切です。もし飲みにくい場合は、同等成分で口腔内崩壊錠や液剤があることも多いため、変更を相談するのもいいでしょう。