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放置してしまった油はね するりと落とすコツとは プロが伝授

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:伊藤 まき

防ぐことが難しい油はねの汚れ。どう掃除するのが正解?(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
防ぐことが難しい油はねの汚れ。どう掃除するのが正解?(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 調理中に出た、油や液体の跳ね。思った以上に、遠くまで飛び散っていることはありませんか? こうした跳ねをそのままにしておくと、汚れがこびりつき、壁紙にシミができたり、建具の劣化につながったりする原因になります。キッチンの大掃除を思いついたなら、見落としがちな「飛び跳ね汚れ」も忘れずに一掃しておきたいところ。おすすめの掃除方法を、掃除のプロ・伊藤まきさんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

アルカリ性洗剤で落とすのが基本

 調理中の油はねは一般的に、コンロを中心に半径50センチ~1メートル程度まで飛び散るといわれています。とくにアイランドキッチンなどオープンなタイプは、四方八方に油が跳ねるので、床やテーブルなど思わぬ部分に油が付着していることも。

 こうした油汚れをエサにして害虫が繁殖することもあるので、できるならその日のうちに掃除をしたいもの。ところが、気づかないまま時間が経過してしまうこともありますよね。

 油は弱酸性~中性の性質を持つため、汚れを落とす際は重曹やセスキ炭酸ソーダといったアルカリ性洗剤を使うのがコツ。油がゆるみ、簡単に落とせるようになります。化学的な洗剤が苦手な人や、ペットや小さなお子さんがいて不安な人は、食用の重曹を使うといいでしょう。なお、アルカリ性洗剤を使用するときは、肌荒れ防止のためにゴム手袋の着用をおすすめします。

場所によってホットタオルやアルコールスプレーを使い分け

 また、油なので温めることでやわらかくなり、落としやすくなります。水を含ませた布を電子レンジで加熱し、ホットタオルにしてから掃除を行うのも効果的です。コンロ周りに置いてある家電に油が飛んでいる場合は、こうしたホットタオルで拭き上げると、家電を傷めずに済むのでおすすめです。

 お皿や花瓶などは、アルコールスプレーを吹きつけて汚れを落とすのも◎。ついでに除菌もできます。油はねがひどいものは、40~50度のぬるま湯に中性洗剤や重曹を溶かし、1時間ほどつけ置きを。油分が溶けてきたら、こすり洗いをすれば、きれいに落とすことができます。

 ここまで、こびりついた油はねの掃除法を紹介しましたが、本来はできる限り、その日のうちに掃除したいもの。厚手のマイクロファイバータオルをホットタオルにして用意しておき、跳ねたらすぐ拭き取ることを習慣にすると、きれいなキッチンを保てます。

 また、コンロの周辺にキッチンツールや鍋、お皿などを置かず、引き出しにしまうか、1メートル以上離れた場所に置くのも汚れを広げないコツ。油はねを防ぐのは難しいので、こうした工夫で、掃除がしやすい清潔なキッチン保ちましょう。

(和栗 恵)

伊藤 まき(いとう・まき)

整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
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