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「想像以上に汚れているんです」 大掃除で見落としがちな場所 手アカやホコリをきれいにするポイントをプロが伝授

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:伊藤 まき

後回しにしがちなドア掃除のポイントは?(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
後回しにしがちなドア掃除のポイントは?(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 家の中にあるドアや引き戸は、毎日の生活の中で何度も触れる場所です。一見するとホコリが溜まりにくく、掃除の必要を感じにくいものですが、「実は手アカや細かなホコリが重なり、想像以上に汚れているんです」と、クリンネストの資格を持つ伊藤まきさんは言います。お正月に向けて、玄関はもちろん、家の中のドアや引き戸もきれいにして、心地良く過ごせる快適空間を作りましょう。

 ◇ ◇ ◇

扉の種類に合わせた掃除が◎

 ドアや引き戸は、掃除の際につい後回しにされがちな場所ですが、素材や構造に合った手入れが必要です。ここでは、代表的な「ドア」と「引き戸」それぞれの掃除ポイントを紹介します。

1. ドアの場合
 ドアの表面には、目に見えにくいホコリのベールがうっすらと付着しています。中性洗剤を水で薄めたものを、マイクロファイバータオル(きれいな雑巾や使い古しのタオルでもOK)に含ませ、硬く絞ってから拭き上げます。その後、水拭き・乾拭きで仕上げましょう。

 二度拭き・仕上げ拭きがいらない「アルカリ電解水」が人気ですが、木材に含まれるタンニンがアルカリと反応して、黒ずみやシミが発生するおそれがあります。なお、表面にニスなどの塗料が塗布されていない天然木製のドアは、原則として乾拭きのみで掃除をしてください。

 ドア本体の上部は、ホコリが溜まりやすい場所ですが、そもそも手が届きにくいため、角や面の処理が雑なことがあります。飛び出た木片でけがをすることがないよう、厚手の布やタオルを使って、気をつけながら拭くといいでしょう。

 また、意外に汚れやすいのが、ドアノブや引き手部分です。濡らして硬く絞った雑巾で拭き、汚れがひどい場合は中性洗剤を薄めた水で拭いたあと、水拭きと乾拭きを行いましょう。

 さらに、忘れがちな蝶番周りも要チェック。ハケなどでホコリを払い落とし、水拭き・乾拭きで仕上げます。水分が残ると、サビやカビの原因になるため、しっかり乾かすことがポイントです。

2. 引き戸の場合
 スライド式の引き戸は、レール(敷居)や戸車部分にホコリが溜まりやすいので、そこを重点的にきれいにします。掃除機に隙間ノズルをつけて吸い上げ、残ったホコリは歯ブラシや爪楊枝などを使ってかき出します。その後、硬く絞った雑巾で拭き上げましょう。

 ホコリを取り除いてもなお、戸車の滑りが悪い場合は、シリコンスプレー(100円ショップでも購入可)を潤滑油代わりに吹きつけるとスムーズに。一般的な潤滑油はホコリが付着しやすくなるので、避けたほうがいいでしょう。

(和栗 恵)

伊藤 まき(いとう・まき)

整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
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