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クエン酸洗剤を使ってはいけないNG素材3つ 油汚れには使っても無駄?
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教えてくれた人:伊藤 まき
柑橘類などに多く含まれ、酸味をもたらす成分として知られるクエン酸。疲労回復効果が期待できるため、サプリメントやドリンク剤などで摂取している人も多いでしょう。またその名の通り酸性のため、水アカや石けんカスなどアルカリ性の汚れに強く、掃除洗剤としても定番です。蛇口や排水口周りのお掃除には相当な威力を発揮しますが、実は使ってはいけない“NG”の場所が。ツヤが失われたりサビの原因になったりと、復旧が難しくなる場合もあるようです。清掃のプロ、整理収納アドバイザーの伊藤まきさんに教えていただきます。
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3つの素材を避けて掃除をすれば安心
食品にも使われるクエン酸は、キッチンなど水回りの掃除に役立ちます。特に中性洗剤では落とすことができない水アカに強く、水道の蛇口や排水口周りの掃除におすすめです。しかし性質が酸性のため、使用NGな素材があるので注意しましょう。
○使用NG素材1:石材
アイランドキッチンやテーブルに使われる大理石などツヤのある石材は、アルカリ性の性質を持つカルシウムやマグネシウムを含んでいます。そのため、酸性のクエン酸で掃除をするとツヤが失われ、せっかくの持ち味が損なわれてしまうことが。使用は絶対に控えましょう(大理石風のプラスチックはOK)。
○使用NG素材2:コンクリート
打ちっぱなしの壁やタイルの目地などに使われているコンクリートも、大理石と同じくアルカリ性です。クエン酸を染み込ませてしまうと劣化が進み、ひび割れの原因になります。
○使用NG素材3:鉄
酸の効果で腐食が進み、サビの原因になります。
また、プラスチック製の浴槽や床、壁、塗装面など、シミになる素材を使用していることがあります。まずは目立たない場所で試してから使用しましょう。またそれぞれの製品に付属している説明書でお手入れ方法の確認を。説明書が手元にない場合は、インターネットで検索すると見つかる可能性があります。
水溶液作りは指定の濃度を守って 油汚れには使っても無駄?
100円均一ショップなどで販売されている掃除用クエン酸は、スプレーに入った液体か袋に入った粉末です。粉末の場合は水かぬるま湯に溶かして使用しますが、パッケージ裏面などの説明をよく読み、指定の濃度を守りましょう。
洗剤としてのクエン酸は比較的作用が穏やかなので、キッチンペーパーに染み込ませて汚れが気になる部分に貼り付けておくと効果的。もちろんそのまま長時間放置するのはNGですので、こまめに様子を見ながら30分~1時間程度を限度にしましょう。
クエン酸は酸性のため、同じ酸性の油汚れには思った以上の効果を得られない可能性があります。油汚れには中性またはアルカリ性の洗剤を使用してください。
塩素系の洗剤や漂白剤は併用NG! 排水管の中で混ざる場合も
繰り返しお伝えしている通り、クエン酸は酸性です。そのため、塩素系の洗剤や漂白剤などと混ざらないようくれぐれも注意してください。
カビ取り剤や漂白剤、トイレ用洗剤、洗濯槽用洗剤などの塩素系洗剤は、主成分の次亜塩素酸ナトリウムを安定させるため、強アルカリ性に調整されています。そこに酸性のクエン酸が混ざると、危険な塩素ガスが発生するのです。
塩素系洗剤などのボトルには「混ぜるな危険」と表示されていますが、意図的に混ぜることはもちろん、同じ場所とタイミングでの使用もできるだけ控えましょう。うっかり混ざってしまう、または排水管の中で混ざってしまうこともあります。同じ場所とタイミングでどうしても使用したい場合は、大量の水でしっかりと洗い流した後にしてください。
(和栗 恵)
伊藤 まき(いとう・まき)
整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
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