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ライフハックで定番の「ラップ掃除」 NGの場合も プロが教える正しい使い分けとは

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:伊藤 まき

ラップをくしゃくしゃにしてこする掃除方法。NGポイントは?(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
ラップをくしゃくしゃにしてこする掃除方法。NGポイントは?(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 水アカや油汚れを落とすライフハックとして知られる「ラップ掃除」。食品用ラップフィルムは、スポンジや金属たわしよりもやわらかく、シンクなどを傷つけにくい、洗剤を吸い込まないため少量で済むといった理由から、広く知られるようになりました。しかし、実はこの方法、「使ってはいけない場所」も少なくありません。整理収納アドバイザーで、掃除の知識にも定評のある伊藤まきさんに注意点を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

頑固な焦げつきややわらかい素材には不向き

 近年は、ガスコンロやIHクッキングヒーターのメーカーのなかにも「ラップにクリームクレンザーをつけてこする方法」を例として紹介しているケースがあります。このことからも、ラップ掃除が一定の有効性を持つのは事実です。

 ただし、最大の注意点は「ラップ+クリームクレンザー」をセットで使うことが前提になりやすい点にあります。クリームクレンザーには微細な研磨剤が含まれており、ラップ自体がやわらかくても、研磨剤の作用によって素材を傷つけるリスクが高まります。

 とくに以下の素材では、細かな傷、曇り、変色、塗装のはがれなどが起こりやすいため、使用は避けるのが無難です。

・プラスチック・樹脂製品
・人工大理石
・フッ素樹脂加工(テフロン加工など)
・鏡・光沢仕上げの金属
・木製品
・素焼きタイル
・金・銀などの貴金属

 これらは、ラップではなく研磨剤が主因でダメージを受けるという点が、メーカーの注意書きや清掃業界の一般的な見解と一致します。

 また、ラップ掃除は、あくまで軽度の水アカや皮脂汚れなどに向く“応急的な方法”。焦げつきがひどい場合は、洗剤を塗布してラップでパックし、汚れを浮かせてから拭き取る「湿布掃除」が推奨される場合もあります。

プロのおすすめはマイクロファイバークロス

 伊藤さんが掃除のプロとしてすすめるのは、ラップではなくマイクロファイバークロスです。マイクロファイバーは直径数ミクロンの極細繊維で、汚れを削るのではなく“絡め取る”構造。そのため、洗剤なしでも水アカ・皮脂汚れを落としやすい、研磨剤を使わずに済むため素材を傷つけにくいというメリットがあります。

 これは、清掃業界や自動車メンテナンス分野でも広く認められている特性です。

 なお、ひとくちにマイクロファイバーと言っても品質はさまざま。選ぶなら自動車の塗装面にも使える、超極細繊維で毛足が長く、やわらかいタイプが適しています。こうしたクロスは、家庭内のデリケートな素材にも安心して使用できます。

(和栗 恵)

伊藤 まき(いとう・まき)

整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
インスタグラム:maki_organize