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「良かれと思って…」年末年始、親戚の子に勧めた食べ物でアレルギーに…意図せぬ“食ハラ”に注意

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著者:Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム

年末年始の食卓では食物アレルギーにも注意を…(写真はイメージ)【写真:写真AC】
年末年始の食卓では食物アレルギーにも注意を…(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 まもなく迎える年末年始、子連れでの帰省や旅行を計画している人も多いでしょう。親族や友人との会食の機会も増えるなか、注意したいのが食物アレルギーのリスク。祝い事の食卓には、アレルギーの原因となる食材が多く出回るうえ、「ちょっとくらいなら……」という気のゆるみが生まれやすいタイミングでもあります。年末年始の食物アレルギーについて、小児科医に気をつけたいポイントを聞きました。

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「縁起物だから」「ちょっとくらいなら…」 良かれと思って勧めてしまうケースも

「赤ちゃん連れのご家庭に小児科医からの注意喚起」

 年の瀬も迫った12月下旬、SNS上で食物アレルギーの注意喚起を行ったのは、現役の小児科医で1児の父でもあるりんご@小児科医(@AoringoDr)さん。医療者や保護者にとって役に立つ情報を日々発信しています。

 りんご@小児科医さんによると、年末年始は1年のなかでも特に食物アレルギーに気をつけたい時期。親戚や友人との会食が増える場面では、「縁起物だから」「ちょっとくらいなら食べても大丈夫」などと、普段子どもに食べさせていないものを良かれと思って勧めてしまうケースも少なくありません。お祝いの場では、お酒を飲んでいたり、久しぶりに会った子どもに良い顔をしたいなど、意図せぬ“食ハラ(食事ハラスメント)”を助長してしまう材料もそろっています。

「普段食べない物を食べるのは、少量でも食物アレルギーのリスクになります。 ましてや親戚・友人などの集まりで、子どもにとって疲れる環境や寝不足などの体調不良がある場合、万が一アレルギー症状が出た際に重症化するリスクが高まります」

 さらに、年末年始の食卓は、イクラや数の子といった魚卵や、エビ、カニなどの海産物、年越しそばなど、アレルギーが出やすい食材の宝庫。お酒のおつまみなどで出るナッツ類にも要注意だそう。また、年末年始は一般の開業医は休暇中で、受け入れのある病院も人手不足で多忙な時期。長時間待たされることが予想されたり、かかりつけでなければアレルギー症状が出ても原因が特定できないこともあり得るといいます。

「近年、食物アレルギーは増加傾向にあります。特に『木の実類(ナッツ類)』は、即時型アレルギーの原因食物として全体の約24.6%を占め、現在では牛乳や小麦を追い越し第2位にまで急増しています。お菓子に含有されていることに気づかず摂取し、強いアレルギー症状が出て受診されるケースも後を絶ちません。魚卵やそばに関しては少量でも重篤な症状を引き起こすリスクがあるため、細心の注意が必要です。乳児はもちろん幼児でもアレルギー症状が出やすく、初めて食べるのが帰省先、というのはオススメできません」

 一連の投稿の意図については、「周囲の方がお子さんに食べ物をあげる際は、事前に必ず『初めて食べるものではないか』『アレルギーはないか』を保護者に確認する。そんな配慮が当たり前の社会になることを願っています」と話しています。

(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)