からだ・美容
入浴時だけじゃない冬のヒートショック 夜中のトイレでも起こりえる危険を医師が解説 枕元に置いておくべきものとは
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:秋津 壽男

冬になると急増するヒートショック。入浴時の事故が注目されがちですが、実は夜中のトイレも危険な瞬間です。温かい布団から寒い廊下への移動で、血圧が急激に変動し、心臓や血管に大きな負担がかかります。今すぐできる対策と、そもそも夜に起きにくくする体づくりについて、循環器専門医の秋津壽男先生に解説していただきました。
◇ ◇ ◇
「温かい布団→冷たい廊下」の寒暖差が血圧を急上昇させる
ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、心臓や血管のトラブルを引き起こす現象です。厚生労働省によると、とくに11月から4月にかけての冬季に多く発生しています。
65歳以上の高齢者や、高血圧・糖尿病などの基礎疾患を持つ人が影響を受けやすいとされていますが、なぜでしょうか。秋津先生は次のように解説します。
「年齢、高血圧、糖尿病は動脈硬化の大きなリスク因子です。動脈硬化のリスクの高い人々に、温度差というさらに大きなリスクが加わると、ヒートショックの危険が高まります」
夜中のトイレがとくに危険な理由は、温度変化の大きさにあります。温かい布団の中から、冷えた廊下、さらに冷たいトイレへと移動する際、体は短時間に寒暖差にさらされます。
「室温が急激に変化すると交感神経が亢進し、血管が収縮して血圧が急上昇します。その際に脳血管障害や狭心症が起きるといわれます」
夜間に寝ぼけて無防備な状態で立ち上がることも、リスクを高める要因です。朝方は血圧が上がりやすい時間帯でもあり、夜中のトイレは想像以上に危険な瞬間なのです。
ヒートショックを防ぐために枕元に置くべきもの
夜中にトイレに起きる際にヒートショックを防ぐ方法として、秋津先生はとくに「羽織もの」の重要性を強調します。
「ガウンやどてら(綿入りの和装の羽織もの)を枕元に用意し、トイレに行くときに羽織ることが有効です」
寝間着だけで廊下に出ると、上半身が冷えて血管が収縮しやすくなります。わずか数メートルの移動でも、寒暖差があれば血管には大きな負担がかかるのです。
加えて、廊下やトイレに小型暖房器具を設置することも効果的です。人感センサー付きのヒーターなら、移動時に自動で暖めてくれます。トイレの便座暖房も活用しましょう。室温の寒暖差を減らすことが、血管への負担を軽減する鍵です。