からだ・美容
「食い尽くし」は病気のサイン? 医療的支援が必要な状態の見分け方を心療内科医が解説
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教えてくれた人:田中 奏多
発達特性が関係しているケースは?
食い尽くし行動に対して、SNSでは発達障害と関連づける声が多く聞かれます。しかし、発達特性が関係している可能性が高いと考えられるのは、食べ方以外の場面でも、以下のような傾向がある場合です。
・衝動をコントロールするのが難しい(思いついたらすぐ行動してしまう)
・「空気を読む」「暗黙のルール」を理解するのが苦手
・注意の切り替えが難しい、特定のことに集中しすぎる
・感覚が敏感すぎる、または鈍い(音・光・食感など)
こうした傾向がなく、ストレスが強い時期や環境の変化をきっかけに食行動の問題が出てきた場合は、心理的な要因や環境の影響が大きいと考えられます。ただし実際には、発達特性と心理的・環境的な要因が複雑に絡み合っていることも多いです。
ストレスを感じたときに、食べることで気分を落ち着かせようとする「ストレス食い」は、脳が手っ取り早く安心感や満足感を得ようとする反応です。発達特性があると、この反応が起きやすくなることがあります。
ADHD(注意欠如・多動症)傾向がある人は、脳の仕組みから「今すぐ満足したい」という気持ちが強くなりやすいです。そのため、ストレスを感じたときに食べることで早く気分を落ち着かせようとしたり、目の前に食べ物があるとつい手が伸びてしまったりすることがあります。
ASD(自閉スペクトラム症)傾向がある人は、いつもと同じものを同じように食べることで安心感を得やすいです。また、気持ちを言葉にしたりストレスをうまく発散したりするのが苦手なため、食べることで気持ちを落ち着かせようとすることがあります。さらに、満腹や空腹の感覚がわかりにくい人もいます。
「困っている」なら専門家に相談を
食べ方の問題にはさまざまな背景があります。大切なのは、本人や周囲が困っているかどうかです。
「病気かどうか」という答えを急ぐのではなく、「やめたいのにやめられない」「食べた後に自分を責めたりする」「日常生活に影響が出ている」という悩みが続いているなら、心療内科や精神科の受診を考えてみてください。
(Hint-Pot編集部)

田中 奏多(たなか・かなた)
心療内科医・産業医。メンタルヘルスのプライマリケアを担う「ベスリクリニック」を共同創設。女性の心身に寄り添い、“薬に頼りすぎない心の医療”を実践している。産業医としては、女性ホルモンとメンタル・生産性の関係やDE&I推進を領域とし、企業研修にも積極的に登壇。2025年11月には WOMAN’S VALUE AWARD 個人賞 を受賞した。