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イギリス人が密かに見ている“育ち”のサイン 日本人がやりがちなNGテーブルマナーとは

公開日:  /  更新日:

著者:斎藤 理子

自由度が高い労働者階級のナイフとフォーク使い

 労働者階級になると、ナイフとフォークの使い方はもっと自由です。上流や中級だと、ステーキなどは食べる都度切って口に運ぶことを繰り返しますが、労働者階級になると、あらかじめ全部切ってからフォークを右手に持ち替えて一切れずつ刺して食べる人もいます。付け合わせも持ち替えてすくって食べる人が多いようです。

 これはアメリカ人にも多く見られるスタイルです。アメリカで見た一番衝撃的なステーキの切り方は、フォークを肉に刺し、その分かれている部分の隙間にナイフを差し入れて切るというものでした。さすがにイギリスでこれは見たことがありません。

 異なる階級が同じレストランで食事をするということはまずないので、イギリスでいろいろな食べ方のマナーを同時に目にする機会はありません。ナイフとフォークの使い方に悩む日本人は多いと思いますが、おいしいと評判の店には経済的余裕のある中流階級が集まるので、そうした場所にいけば、概ね正しいマナーを見ることができます。

 食事は楽しく食べるのが一番ですが、きれいな所作で食べるのも大事ですよね。ナイフとフォークの扱い方に迷ったら、イギリスの上流階級とはいかずともアッパーミドルあたりのマナーを参考にするのが一番正しいように思います。

(斎藤 理子)

斎藤 理子(さいとう・りこ)

出版社で雑誌編集に携わったあと、イギリス・ロンドンなど海外に長年在住し、世界中をめぐって各地の食文化を体験。帰国後は日本国内外の食材生産者から、ミシュラン三つ星レストランや街角の立ち飲み店まで、幅広い食の現場を取材・執筆している。主な著作に「イギリスを食べつくす」(主婦の友社刊)、「隣人たちのブリティッシュスタイル」(NHK出版刊)がある。また、「アル・ケッチァーノ」の奥田政行シェフによる連載記事を編集・監修した「田舎のリストランテ頑張る」(マガジンハウス刊)の編著者でもある。2011年には、イギリス政府観光庁よりメディアアワードを受賞。現在、やまがた特命観光・つや姫大使を務める。