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“目覚めの一杯”は体に悪い? 空腹時のリスクに驚きの声 心臓病や脳卒中のリスク低下も期待される「心地良いタイミング」を栄養士が解説
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教えてくれた人:和漢 歩実

朝起きてすぐの一杯や、食後のリラックスタイムに欠かせないコーヒー。寒い季節にほっとする、毎日の習慣になっている人もいるでしょう。一方で「目覚めのコーヒーは体に悪い?」や「食後に飲むのは良くない」といわれることもありますが、実際のところどうなのでしょうか。コーヒーを飲む効果的なタイミングとは? 栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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目覚めのコーヒーがいけない理由とは
結論から言うと、目覚めのコーヒーや食後のコーヒーが必ずしも良くないわけではありません。その一方で、NGといわれる理由には、次のことが考えられます。
目覚めのコーヒーについては、起床直後で胃の中が空っぽの状態であることが、避けたい理由に挙げられます。コーヒーは胃酸分泌を促しますが、空腹で胃酸が増えすぎると粘膜が荒れ、胃もたれや吐き気を催す原因になるためです。また、胃酸の逆流を招くリスクも知られているため、胃が弱っている人は注意しましょう。
起き抜けの空腹時にカフェインを取ると、交感神経が高まります。人によっては、血糖値が変動しやすく、だるさや眠気を強く感じてしまうこともあるかもしれません。朝一番のコーヒーは、初めに水を飲み、たんぱく質や脂質を含む食べ物をひとくち食べてから飲むようにすると良いでしょう。
食後のコーヒーが鉄の吸収を妨げる?
食後のコーヒーについても「体に悪い」と一概には言えません。コーヒーは胃酸分泌を促進するので、消化を助ける効果や、リフレッシュ効果も期待されています。食後の一杯で気分が落ち着くこともあるでしょう。
NGとされるのは、コーヒーの成分であるタンニンに、鉄の吸収を妨げる働きがあることが理由に挙げられます。ただ、鉄といっても、この場合は野菜や穀物、卵、乳・乳製品に含まれる鉄(非ヘム鉄)のこと。レバーや牛肉などの動物性食品に含まれる鉄(ヘム鉄)は、その影響をあまり受けないと考えられています。
したがって、食後のコーヒーを徹底的に避ける必要はありませんが、鉄分を食事からしっかりとりたい場合は、食後30分から1時間ほど空けてから飲むと良いでしょう。
NGなタイミング、効果的なタイミングとは
飲むのにNGなタイミングは、夕方以降です。コーヒーに含まれるカフェインには覚醒作用があり、体の中に長く残ります。そのため、夕方以降に飲むと覚醒作用が夜まで続き、眠りにくくなることも。
おすすめは、朝食後または昼食後の少し時間を空けたタイミングです。胃の中に食べ物がある程度入っている状態なので、刺激も少なく、コーヒーのメリットを得やすいでしょう。
習慣的にコーヒーを飲む人は、心臓病、脳卒中などによる死亡リスクが低下するという研究報告も近年あるなど、健康効果が注目されるようになりました。炎症を予防する効果のあるカフェインと、酸化を防ぐ効果のあるクロロゲン酸(ポリフェノール)の相乗効果によると考えられています。
体調や体質、その日の生活リズムに合わせて、心地良いタイミングでコーヒーを楽しみましょう。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾
