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チョコレートと牛乳の相性が悪いといわれるのはなぜ? 気になる疑問を栄養士が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

カカオ豆が原料のチョコレート(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
カカオ豆が原料のチョコレート(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 もうすぐバレンタインデー。自分へのごほうびとして、チョコレートを購入する人もいるでしょう。ところで、ネット上では、チョコレートと牛乳を合わせると、健康効果が下がるという情報をみかけます。なじみのある組み合わせですが、実際のところどうなのでしょうか。栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

それぞれの成分が結合しやすい関係にある

 結論からいうと、チョコレートと牛乳を一緒に食べても体に悪影響はありません。スイーツの材料としてもよくある組み合わせです。健康効果が下がるといわれる理由は、牛乳に含まれるカゼインという成分と、チョコレートのカカオポリフェノールが結合しやすいことにあると考えられます。

 カゼインは、牛乳に最も多く含まれているたんぱく質です。体内では、カルシウムを安定した形で運ぶ役割を担うほか、消化吸収がゆっくり進むため腹持ちを良くする特徴もあります。免疫機能の維持や体づくりに欠かせない栄養素のひとつです。

 一方、チョコレートには、原料のカカオ豆由来のカカオポリフェノールが含まれています。カカオポリフェノールは、体内の活性酸素を抑える抗酸化作用をはじめ、血管の健康や代謝を支える働きが注目されている成分です。カカオ含有量が高いチョコレートほど、健康効果が期待されます。

 このカカオポリフェノールがカゼインと結合しやすい性質を持つことから、一緒に食べると健康効果が下がるといわれるようになったのでしょう。ただし、まったく吸収されなくなることはありません。嗜好品として楽しむ程度であれば、気にする必要はないでしょう。

嘘? 本当? チョコレートにまつわる話

 年代を問わず、身近な存在のチョコレートですが、牛乳以外にも疑問に思うことがあるかもしれません。栄養の観点から紹介していきます。

〇チョコレートを食べると鼻血が出る?
 鼻血が出る主な原因は、鼻の中にある粘膜が、鼻をかむなどの物理的刺激や空気の乾燥などによって傷つくことです。チョコレートと鼻血の関係性については、医学的な報告はないとされています。栄養面でみると、血行を良くするポリフェノールとの関係が挙げられることがありますが、鼻血の直接的な原因とは考えにくいでしょう。

〇高濃度カカオのチョコレートは太りにくい?
 カカオの含有量が多い分、ポリフェノールの健康メリットは高くなりますが、通常のチョコレートよりも脂質が多いのが特徴です。体重増加につながり、太りにくいとは言い切れません。チョコレートに限りませんが、体に良い成分が多いからといって、ひとつの食品だけを大量に摂取するのは控えましょう。

 厚生労働省の「食事バランスガイド」によると、菓子や嗜好飲料は食生活の中で必ずしもとる必要はありませんが、1日に多くても200キロカロリーまでを目安に「楽しく適度に」といわれています。チョコレートも毎日たくさん食べ続けるものではなく、適量を楽しみましょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾