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「米のとぎ汁は捨てないで」「電子レンジで蒸し煮に」 水不足が心配な季節 キッチンでできる節水術とは
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教えてくれた人:和漢 歩実

太平洋側を中心に少雨傾向が続き、各地で水不足への懸念が広がるなか、節水への意識が高まっています。東京都水道局の用途別使用量の目安によると、食器洗いで水を5分間流しっぱなしにすると、約60リットルを使用することになるそうです。日々の調理や洗い物の場面で、節水のポイントはあるのでしょうか。家庭のキッチンでできる節水術について、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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節水のカギは「洗い物を減らす」こと
家庭の調理シーンでの節水のポイントは、「洗い物を減らす」ことです。たとえば、次の5つの工夫が挙げられます。
○使う調理器具を減らす
料理によって別々の鍋やフライパンを使うのではなく、油を使わない料理から順に同じ鍋やフライパンで調理すると、洗い物を減らせます。たとえば、煮物をフライパンで作り、その後、洗わずにキッチンペーパーで拭いてから炒め物を作るなどです。また、和える、混ぜるなどの作業はボウルを使わずに、調理用ポリ袋を活用するのも一案です。青菜のゴマ和えやポテトサラダなどを作る際、材料を袋の中で和えれば、そのまま保存もできます。
○使う食器を減らす
料理ごとに各個人の小鉢に分けず、各自が食べられる量をワンプレートに盛りつけると洗い物が減ります。お弁当箱も、ごはんとおかずが別々のものではなく、一体になったもののほうが、洗い物を減らす視点では合理的です。
○洗う前に汚れを拭く
皿や調理器具など洗い物の汚れは、あらかじめキッチンペーパーなどで拭き取っておくと、洗剤やすすぎに使う水の量を抑えられます。とくに、カレーや炒め物といった油分の多い料理では効果的です。
○洗い物は「つけ置き・溜め洗い」する
洗い物をすぐに流水で洗うのではなく、ボウルやシンクに溜めた水につけ置きしてから洗うと、汚れが取れやすく、洗うための水の量を減らすことにつながります。米のとぎ汁は、水道水よりも汚れを落ちやすくするので、つけ置きに活用できます。米をとぐ際は、捨てないでボウルなどに溜めておくと良いでしょう。
○食洗機や節水シャワーなどを利用する
設置には費用や置き場所の確保が必要になりますが、食器洗い乾燥機(食洗機)を活用するのもひとつの方法です。機種や使い方によって異なりますが、内部で水を循環させて洗浄する仕組みのため、使用する水量を抑えられるといわれています。蛇口に取りつける節水シャワーは、比較的取り入れやすい選択肢です。
調理法を工夫して水の使用量を減らす
調理で使う水そのものを減らして、節水につなげる工夫もあります。たとえば「ゆでる」調理。野菜をたっぷりの湯でゆでるのではなく、フタを使って少量の水で蒸し煮にしたり、電子レンジを活用したりする方法もあります。ホウレン草といったアク抜きが必要な野菜は別ですが、ブロッコリーやカボチャなどは耐熱容器に少量の水と一緒に入れて電子レンジで加熱することで、使う水の量を抑えられます。
パスタなどの麺類をゆでる際も、鍋いっぱいの湯を使うのではなく、フライパンを使えば少なめの水量で調理できます。フタを使うと、より効率的です。パスタ用のレンジ容器を使うのも良いでしょう。
普段のキッチンでの段取りを少し見直してみると、意外に節水のポイントがあるかもしれません。できることから取り入れていきたいですね。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾